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新型Ninja250 フルエキゾースト開発日記 最終章

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皆様、こんにちは。

台風が来てますね。
鈴鹿8耐は、予選の醍醐味でもあるTOP10トライアルも雨模様、そして決勝も雨が降りそうな感じで、「ドライ→レイン→ドライ」みたいな感じで天候を先読みしながらの各チームの駆け引きになればレース自体は相当面白くなりそうですが、プライベーターチームはホイールの本数が少ないチームが多いのでかなりバタ付くでしょうね。

関係者の皆さん、腕の見せ所ですよ!(笑)


さて前回の続きですが、パワーカーブ自体はかなり良かったのですが、音量が96dBオーバーで、回していても明らかに音量が大きく、これは少し想定外でした。

ここまで大きくなるとは思っていなかったのでスリップオンとも互換性のあるエキパイにするのには暗雲が立ち込めた状況です。

とりあえずの作業は音量を下げながらパワーカーブの維持、もしくは更なるパワーアップと行きたいところですが、まずはこのベースの寸法のままサブチャンバーを設けてベンチテストです。

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サブチャンバーは容量を変えやすい様にとりあえず前方に付けています。

で、ベンチテストの結果がコチラです。

ninja250 ②
赤線がプロトタイプ①で青線がサブチャンバー仕様です。

このサブチャンバーの目的は主に消音が目的です。
音量は95dB前後とサイレンサーは同じ物を使用していますが、聞こえ目にも音量が下がった事がハッキリ分ります。
このサブチャンバーを使ったテストでは毎回どの車種でも、ある一定の高回転域の特性が改善されており、今回も少しですが良くなりましたね。

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その後、サイズを変えて試しましたが、音量を94dB以下に下げると、パワーが落ち、パワーを戻すと音量がまた上がるというパターンの繰り返しです。(プロトタイプとはいえ、サブチャンバーを適当に付け過ぎですね。。。容量の確認の為だったので 笑)

サブチャンバーの取り付け位置にもよりますが、根本的な解決にならない事、そしてこのサブチャンバーに期待していた効果として中速域の改善が思う様に発揮出来なかった事から、その後エキパイの管長、そしてセンターパイプの管長を変更してベンチテストした結果、触媒位置の変更と集合部分以降の最初のセクターの寸法を変更する事にしました。

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写真では分らないと思いますが、これが変更後です。
これまでの方向性としてセンターパイプ以降の管長はある程度長い方が、特性上良かったのでプロトタイプ①よりは全長も長くなっています。
因みに全長が伸びる方向である事は、音量を少しでも下げる事にもなるので、マフラー全長があまりに長いとバランスを崩しますが、おそらくいい方向に作用すると思いながらまたまたパワーチェック。

ninja250  ③
赤線がプロトタイプ①で青線がプロトタイプ③です。

まず音量ですが、サイレンサーはプロトタイプ①と同じ物ながら93~94dBになりました。
また集合部以降の管長変更の効果で、私が狙っていた中速域が明らかに改善出来ました。

プロト①でも6,000rpm以降の吹けあがりは良かったのですが、回転上昇の早さに加えて加速時の音量や音質も向上。
グラフでは8,000rpm~9,000rpm超辺りがプロト①に劣っていますが、この時点ではどの部分を改良すればいいのか答えが見えていましたので、もう少し音量を下げながらパワーカーブの改善を行う作業となりました。

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サイレンサーがラウンドタイプになっていますが、内部構造は基本的に同じで、センターパイプ長やエキパイ長を調整しながら、音量も含めての確認作業の結果、出たのがコチラのグラフです。

ninja250  ④
今度は青線がプロトタイプ①で赤線が最終仕様です。

中速域の更なる改善に加え、高速域においても大きな改善が見られます。

最終的には音量調整をする過程で、スリップオンのサイレンサー構造とは残念ながら変更となってしまいましたが、音量を下げながらの結果としては大満足です。

因みにノーマルとの比較グラフがコチラです。

ninja250  ⑤

ピークパワーもさることながら、ノーマルを下回る事無く3,000rpm以降はかなりのパフォーマンスを示す結果となり、10,000rpmではノーマル比で何と3馬力もアップしているので、「回して楽しい」Ninja250が「そこそこ回してもかなり楽しい」という感じで、流石にNinja400までとはいきませんが、Ninja320位のパフォーマンスにはなったのではないかと思います(笑) グラフは当然掛け値なしです。

その後のJMCA認証試験では ラウンドタイプが93dB/78dbB 、 SS-OVALが94dB/79dBと、パワーアップした分、スポーティーでレーシーな音質でありながらしっかりと合格して参りました。

※ 試験当日は酷暑で、計測するタイミングでかなりエンジンの油温・水温が高く、通常時にはそれぞれ1dB位低い音量が確認されています。

これだけパワーカーブが違うとはっきりパワーアップが体感出来ると思います。
現に試乗でもしっかり違いが確認出来ますし、おそらくビギナーの方でもノーマルとの違いを体感して頂けるでしょう。
(個人的には250ccクラスでは最強に速いと感じましたね。)

先のブログで、ノーマルマフラーのパイプワークがアフターマフラー並の管長だという事を書きましたが、結果としてパフォーマンスを上げていく過程で、ノーマルと大きく異なる管長となりました。

結果的にですが、スリップオン用のフロントパイプも兼ねた管長にしていたらこのパフォーマンスに辿り着かなかったでしょうから、マフラー開発をする時は、シンプルに目標に向かって開発する事がいかに大事なのかも考えさせられましたね。

もう四半世紀もマフラー開発に携わっていますが、幾つになっても日々勉強ですね。。。(笑)

という事で、新型Ninja250用JMCAフルエキゾースト開発日記でした。

パフォーマンス的にフルエキとしての魅力が出せなかったら、製品化見送りも考えていましたが、体感出来るパフォーマンスになりましたので、自信を持ってリリースしたいと思います。

また近日中に製品詳細が決まりましたら、またご報告させて頂きますので宜しくお願い致します。


それでは。

Ninja250 ppp (3)




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Author:ダブルアールズ
WR'S(ダブルアールズ)マフラーの開発状況などを掲載。

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