BMW G310R レースマフラー開発日記 - 序章 -

BMW G310R レースマフラー開発 最終仕様    (2)
WR'Sマフラー開発担当です。
FC2ブログの更新は1ヶ月ぶりとなり、何か新鮮な気持ちですがまずは早速、リクエストの多かったG310Rのパワーグラフから見ていきましょう。

BMW G310R レースマフラー開発 最終仕様    (4)
カタログデータでは「25kW(34PS)/9,500rpm」となっていますが、計測して出たパワーも34psを9,500rpm近辺で見事叩き出していますね。因みにこれ、後輪出力ですからかなりしっかりパワーが出てるバイクといっていいと思います。いやぁ、流石です。

このグラフは4速で計測しており、6速で計測したグラフではもう少し山の尖ったグラフとなっていましたね。
実際といっては少しアレですが、シャーシダイナモを回して続けていると、エンジンがどんどん調子良くなって、パワーグラフ全体に数値が良くなる事があるんですが、このグラフ自体も若干ですが、そんな時に出た結果ではあります。
ノーマルデータはマフラーを造る際の大切なベースデータとなりますので、私のセオリーとしては当然ながら一番パワーが出たノーマルデータに対して対比グラフを作って行く事になるのですが、実際計測し平均したパワーでは33ps強位になっています。
それでも後輪で33psはカタログデータで考えても大いに立派な結果と言えるでしょう。

このバイクの素晴しいところは、先日のもて耐出場時の決勝11時間をほぼギヤ抜けが無かったという、俄かには信じられない様な強靭なエンジンを持っているという事です。
今年のもて耐は、それまでの8月第一週開催から8月の最終週開催へと替わり、暑さ的にはピークを過ぎた季節で、実際に風が心地良くといったレース日和ではありましたが、それでもこの時期はどのバイクでも水温が上がると油温も上昇、オイルがシャブシャブになってギヤ抜けが。。。といった宿命を持っているにも関わらず、このG310Rはギヤ抜けに悩まされる事もなく、見事完走しました。

G310R 2017もて耐 (3)
G310R 2017もて耐 (4)
ペースもそこそこで良く、ラジエターは純正のまま見事走りきったG310R。エンジンの耐久性や諸々を考えると、レースベース車として維持費も安くつきそうですし、コスト面でももて耐向きな車両といっていいのではないでしょうか。
因みにオイルは純正指定を使用しての出場でしたが、BMWモトラッドのディーラーメカニックのレベルの高さも示すレースでした。

話が少しそれましたが、このもて耐に使用したマフラーをベースにレース用マフラーを製作していくのが今回の任務です。

G310R 用   オーバーホール (1)
まずはレース使用後の点検&サイレンサーのオーバーホールから。
継ぎ接ぎだらけのプロトタイプから量産用にパイプベンダーでパイプを曲げ直し、最終仕様に仕上げていく事になります。

G310R レース用最終プロト (7)
仕様が決定した訳ではないのでこの時点では仮治具ですが、プロトタイプではタイトだったクリアランスをしっかり確保する等、仮治具上で作業を行います。

G310R レース用最終プロト (4)
で、クリアランスもこの通り確保し、まずはこの仕様でパワーチェックを行います。

BMW G310R レースマフラー開発 最終仕様    (5)
プロト1vs ノーマル
黒線がノーマルで、赤線がレース用マフラーです。
まずまずなデータですが、私自身は気に入らないというか、レース前にベンチテストした対比グラフと少々違うところがあって、ちょっと不満です。。。
というのも、先に少し触れましたが、ベンチテストをしてるうちにエンジンにアタリが付いてきたというか、ノーマルのグラフ自体が良くなっているんです。。。
最初に対比する為に取ったノーマルデータのパワーは32ps強でパワーカーブ自体も全体的に低く、その時点でのパワーの対比差は3ps近くあったんですよね。。。(苦笑)もちろん、レース用を計測した後にもノーマルで計測し直した結果がです。

この辺は外車特有というか、アタリが付き出したら一皮向けた様な性格に変貌するというか、BMW本来の力強さなんでしょう。
BMW、流石です!と、ノーマルデータを褒めていても始まらないのですが(笑)、冷静な目で見てこのレース用マフラーもノーマルを下回る部分は無く、またレスポンスも驚くほど向上しており、及第点は十分与えられるマフラーではあります。

普通はですね。。。何処のマフラー屋さんもこれで量産に「GO!!」するのですが、私の場合は何か悔しさというか、物足りないと感じてしまった事もあり、ここから開発し直すんですよ、それが。。、(笑)

という事で納期が迫る中、このままで製品化するのを嫌ってこのマフラーの改良に着手する事にしましたが、それは次回のブログで書きたいと思います。

それでは今日はこの辺りで。




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