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Kawasaki Z800 マフラー開発日記

DSCN7895.jpg

WR'S(ダブルアールズ)マフラー開発担当です。

お待たせ致しました。
私がお休みの間も「ブログの更新、まだですか?」とお電話等頂いていたみたいで、㈱ダックスコーポレーション平井さんにも退院後の挨拶に伺った時に、ブログの更新を楽しみに待ってる方が多いですよ!との事で、壊れたパソコンデータからようやくデータを見つけ出してマフラー開発日記の更新をしたいと思います。

前回も書きましたが、このスリップオンマフラーに採用しようとしてるセンターパイプのサイズはφ50→φ54でセンターパイプ途中から太くなるタイプのセンターパイプを採用しています。

ノーマルでのパワーの出具合(出力特性)から経験上、判断した訳ですが、エキパイ直後の大きな触媒やノーマルマフラーのセンターパイプ(というか膨張室)を検証した上で決めましたが、特性を見ながら太い部分(φ54)が有効ならその部分を延ばし、細い部分(φ50)を延ばした方がいいならその部分を変更し…等々、調整をしていく過程で適正な寸法を見つけて行こうと考える次第です。

結果、もしかしたらφ54にのみになるのか、はたまたφ60.5との組み合わせが必要になるのかは、ベンチテスト次第です。

さて、なるべく短くしたいなぁとスタイル的な部分からレイアウトをして上記写真の様に少し強引にUPスタイルにしてのファーストインプレッションはこんな感じになrました。

ファーストインプレション z800 (1)
黒線がノーマルで赤線がスリップオンですが、負けちゃっていますね(笑)
ちなみにサイレンサーの内部構造はたまたま転がっていたNinja250用の物で、流石に排気量的に無理がありましたね。

そこでGSR750に採用した内部構造に変更しての再トライがこちら。

ファーストインプレション z800 (2)

音量、パワー感共に大幅に向上し、中高速域でも元気良く一気に吹け上がってくれましたが、厳密に言えば0.2ps程、ピークパワーで負けています。

誤差範囲?ではありますが、それは他社さんのマフラーやお客様のバイクの計測の時には「誤差範囲」と表現しますが、自分で開発してる時には、そんな風に言ってるとロクなマフラーにならないので、誤差では無く、ノーマルより劣ってるとしっかり認識する事にしています。

まぁ、ファーストインプレッションなので、この時点では方向性を見る為の指標という事ですが。

ベンチを回していて感じた事は、ちょっとアクセルのレスポンスがギスギスしていて乗り難いとまではいかないものの、もう少し排気量らしいどっしりとしたレスポンス感が欲しくなります。(言葉で表現するのは難しいですけど)

インナー径を変えた事で音量もかなり大きくなり、多分この時点で音量規定にも通っていない模様です。

そこで近接騒音を測ってみると94.8db。。。問題外ですね。

アクセルのギスギス感は、使うサイレンサー構造にもよりますが、今回の仕様だとセンターパイプを長くする事で、おそらく解決するのですが、このタイミングで音量も調整すべく内部構造(主にインナーパイプ)を少し変更して再度、トライした結果がこちら。

インナーパイプ タイプ比較 z800
赤線が変更前、青線が変更後ですが、全体的に見事にパワーダウンしてしまいました…

毎度の事ですが、こんなデータ見せる必要無いのですけどね…(笑)
でもまぁこんなトコから地道に積み上げてマフラーは出来上がるので、面白半分に見て頂けたらと思います(笑)

さて、実際には笑い事では無い訳で、データを検証しての私なりの結果は、「更に全体寸法を長くする」でした。
でも、何かが違うんですよね。。。

ちなみに方向性を確かめる為に逆に短いタイプを造ってテストしましたが、結果としてやはり長くする方向性で間違っていない様ですが、やはり何かしっくり来ません。

というのも、センターパイプをφ50、φ54共に長いタイプを造ってテストしましたが、イマイチ思った方向に定まらず、また音量面でもシビアな感じでの展開になっています。

いっその事と考え、φ60.5でセンターパイプを造ってテストしても悪くはなっても良い方向に進展しません。(この時点でφ60.5は却下でしたが)

考えられる残された道は。。。 サイレンサー容量だけですね。
「サイレンサーの容量を増やす=長くする」とう事になりますが、バイクのデザイン的にもあまり大きめなサイレンサーはバイクのイメージ的にも違う様な気がするので、現行のサイレンサーシェル333mmから67mmだけ延ばしてサイレンサーシェルを400mmにして再テストです。

わずか67mmですが、音量的にもサイレンサー全体の容量的にもかなり貢献してくれる筈です。
また、見た目的には67mm長くなるだけなのでイメージも大ききくは変わらないでしょう!

DSCN7913.jpg

センターパイプもテストを繰り返す中で若干変更し、レイアウトも各部干渉しない様にパイピングして行きます。

その結果、ショートサイレンサーと67mmですがロングになったサイレンサーとの比較データがこちら。

ショーロサイrンサーVS67mmロング z800
赤線がショートサイレンサーで青線がロングサイレンサーです。

かなりいい方向性が見えて来ましたね。
センターパイプの長さや太さでは、それ程グラフに差が付かなかったものの、サイレンサーの容量を大きくする事でしっかりとした差が現れだしました。

スリップオンとはいえ、これだからマフラー開発は楽しいですね。
開発時、私は必ずこれを使わないといけないとか、そういう制約を殆ど設けずに開発にかかります。
この形のサイレンサーを使う等、大まかな決め事はもちろんするのですけど、それ以上の制約を決めるとその制約によっての妥協点がかなり低いところで出てしまうので結果として満足に開発が出来なくなるからです。

確かに汎用性の高いパーツやコスト面を考えると、決め事をしておいた方が、開発コストや開発時間が圧倒的に短縮出来るのですが、弊社の場合は敢えて自由度の大きい中でベストを探るという手法が弊社らしいやり方ではないかと思ってます。

話がそれましたが、ノーマルとの比較がこちら。

ノーマルVSロングサイレンサー z800

全体的に良いグラフで、方向性がはっきりして来ました。

ここから音質や音量面、そして出力特性の適正化を更に進めていく訳ですが、それはまた次回という事で。

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Author:ダブルアールズ
WR'S(ダブルアールズ)マフラーの開発状況などを掲載。

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