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SV650X SS-OVALスリップオン 開発日記 完結編

sb650jm (5)

皆様、こんにちは。

良いゴールデンウィークをお過ごしでしょうか?

さて時間が少し空いてしまいましたが、開発日記の完結編を更新したいと思います。

試験前日に最終チェックを行い、万全を期した(つもり)状態で浜松に向かいました。

最終的に良かった2種類のマフラーを試験に持ち込んだのですが、音質的にもフィーリング的にも個人的に気に入ったタイプで受験し、万が一不合格だった場合はもう一つの方で再試験という事を想定していました。

試験前チェックの際によくある事として、音質チェックをやり過ぎてだんだんよく分らなくなったりしてくる事があります。
微調整を行う時には特にそうなります。

DSCN3276.jpg

今回はこの4種類の中から最終的に2本に絞ったのですが、もし試験に落ちてもう一本の方で受験となった場合、ほぼ100%合格するのは分っていたのですが、音質的には少し気に入らないのでそれは避けたい気持ちが強くありました。

音を抑えているので汚い音が混ざっているとか全く無くて、むしろ綺麗に整い過ぎてしまっていたからです。
音量的には89~90dBと、まぁ狙い通りには仕上がっていたのですが、非常にクリアで綺麗な音質という感じで、私の思うVツインサウンドでは全く無かったんですよね。。。

やはり、Vツインであるならばアクセルを開けた時の荒々しさというか、それは音量ではなくVツイン独特の鼓動みたいなものが欲しいと思っているのですが、その部分までもが非常にクリアな音というか(笑)、「こんなに優等生にしなくても」といった音質でした。

試験結果は一発合格だったので、心配は杞憂に終わりましたが、そんな事もあって合格した時は本当に晴れやかな気持ちになりましたね。

試験結果をいち早く車両オーナーのK様にLINEしましたが、K様からも「自分のことの様でほっとしました。」と返事を頂き、感謝とともに嬉しかったですね。(何か皆様に支えながら仕事をしていて本当にありがたいかぎりです。)

その試験結果ですが下記の通りとなりました。

【加速走行騒音】   82dB
【近接騒音】      90dB

加速走行騒音は会社でのテストで想定していた通り、81dBをちょっと超える程度で、試験結果はコンマ以上を切り上げするので公式結果としては82dBとなるのですが、Vツインの鼓動を感じれるサウンドで心地良い音質に仕上がったと思います。


そして最終仕様のパワーグラフです。
最終仕様
ピークパワーこそそれほど大きく変わりませんが、中速域は力強いパワーカーブを描いており満足のいく仕上がりになったのではないかと思っています。

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因みにマフラー重量ですが、下記の通りとなっています。

【マフラー重量】     2.27kg  ※ サイレンサーバンド及びスプリング等含む。 ※ ノーマル重量は4.21kg

ノーマルマフラーに比べてほぼ半分近くの重量となりますので取り回しの際にもその軽さを感じて頂けるのではないでしょうか。

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またこのスリップオンですが排気温度が高いVツイン650ccという事もあり、センターパイプには「O.M.N.Jコーティング」を施しております。

リリースに関してですが、現在のところ6月上旬を予定しております。

・ SS-OVALソリッドタイプ  品番 SK3650JM  価格 66,000円(税抜)

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・ SS-OVAL焼き色タイプ  品番 SB3650JM  価格 69,000円(税抜)

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上記2種類のリリースを予定しており、お問い合わせを頂いているC-BLACK仕様は現在継続テスト中です。

IMG_4141.jpg
IMG_4100.jpg
セラーコート仕様ですが、こちらはもう少しテストをした上で進めていきたいと思っています。

という事で、SV650X用SS-OVALスリップオンの開発日記は任務完了という事で終了したいと思います。

最後に車両をご提供頂いたK様、カスタムポイントのセンスが最高のSV650Xをお借り出来た事に感謝を申し上げます。
本当にありがとうございました。


それでは本日はこの辺りで。
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SV650X SS-OVALスリップオン 開発日記 ②

sv650x ssoval (20)
皆様こんにちは。

4月も今日から折り返し、ゴールデンウィークを考えると実質来週一杯で4月を終える事となります。
(ホント、あっという間です。)

SV650Xの開発は悩む事もありましたが、明後日の試験で受験する仕様も無事決定し、万が一のスペアと共に受験してくる予定です。

それでは前回の続きからですが、前回の最後のテストでグラフが好転し、音量的な問題は少し抱えていますが、ほぼ見えてきたところまで書きました。

プロト31
これが前回最後のグラフです。

ここから若干音量を下げる方向で調整する必要があるのと、音質に関してはもう少し太く、そして低音を効かせたいという相反する作業が残っています。

まずは音量を調整する作業からですが、正直言って近接騒音値はそんなに下げる必要もなく、加速時の音量を調整したい事が一番の目的であります。

単純にインナーパイプ長で触ると近接騒音まで影響するので微調整が必要です。

sv650x ssoval (12)
まずはその辺りを調整しながら進めていきます。

sv650x ssoval (13)
この2本のサイレンサーは内部構造が根本から違うのですが、線をなぞった様にパワーカーブが同じで、良くも悪くもスリップオンで出来得る事はほぼ出来ている様な気がしていますが、音質は全く異なり、本当に奥深いというか、日々勉強という気がします。

パワーグラフはあとで紹介するとして。。。

sv650x ssoval (14)
こちらの仕様は、音質がワイルドで荒々しさがありますが、街を流していても疲れない感じで加速時にはスロットルを開けるとVツインサウンドが私的には心地の良い感じです。。。ただし、加速走行騒音が心配です。

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対してコチラの仕様は、かなりマイルドな音質で荒々しさはなく、ある意味大人し目な音質で、これはこれで良さげではあります。
近接は89~90dB前後でしょうか。

加速走行騒音もまず問題なくクリア出来ると思いますが、少し物足りなさを感じなくもありません。。。

両方足して2で割れればいいんですが。。。(笑)

sv650x ssoval (15)
今回試験にはまず最初にコチラの構造で受験する事にしました。

冒頭の写真にも写っていますが、最終的にセンターパイプ側でも少し工夫した事もあって、2本のパイプ(もう1本はロングタイプ)との組み合わせで音質・音量を調整し、おそらく81~82dBで加速走行試験をパスするのでは?と期待しております。
因みに近接は89~90dB想定です。

しかしながら本日も音の確認をしていましたが、油温が上がると簡単に2dB程変わるので、試験走行で余分に周回すると音量が結構変わる様な気がしますね。。。
もう、これって大排気量車のあるあるですけどね。。。

まぁ、試験担当ライダーにお任せですね。

で、音量・音質の微調整後のグラフがコチラ。

最終仕様

グラフ的には大満足ですが、加速騒音計測回転数付近もノーマルに対して力強くなっている事がかなり気がかりです。。。(笑)

因みに少しロングタイプのセンターパイプでのデータがコチラ。

最終仕様ロング
サイレンサーの仕様ではパワーカーブが変わらないものの、センターパイプの管長違いではハッキリと違いが出ますね。
なので今、ブログに使用している写真のもので管長的にもOKという事が確認出来ました。(なのでこの仕様はボツです。)

加速がノーマルより2~3km/h速いだけで簡単に1dB以上、高くなったりしますからね(笑)計測針がビュ~っと伸びるんです。。。
まぁ、笑い事ではないので一応その点も考慮して調整したつもりですが、公的試験と同じ様にはシュミレーションが出来ない事もありますので、やはり出たとこ勝負です、はい。

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もし数値がオーバーしたらコチラで再チャレンジの予定です。

とりあえず明日、車両を積み込む前に試験時間を想定してもう一度音量の確認をしたいと思います。

それでは今日はこの辺りで。

sv650x ssoval (19)






SV650X SS-OVALスリップオン 開発日記 ①

DSC_0175.jpg

皆様こんにちは。

それでは早速続きから更新したいと思います。

とりあえずファーストインプレッションではこのエンジンに対しての確認というか、「こうすればこうなるだろう」と予測のもとに自分の中では一番分り易い仕様の物からテストしてほぼ予測した範囲の結果が出ました。

しかしながら「近接93dB仕様」のマフラーではやはり加速走行騒音に問題があり、とてもじゃないけどこの仕様で試験に臨む事は不可能です。

今回新たにセンターパイプ径の太いものと少し長いタイプを用意したのでそれもテストしてみました。
パワー自体はほぼ変わらない前提ですが、音量の改善に役に立つのでは?との思いを胸にベンチテスト。その結果がコチラ。

プロト1ロング

両方試したベストの方のグラフですが、「パワーは上がらないだろう」とはいうものの、少しは期待していましたが(笑)、結果は大幅なパワーダウン、それに音量にも貢献せずといった具合で、いいところ無しでした。

何をやってもパワー変化は少なく。。。と書いていましたが、間違った寸法では見事パワーダウンという結果になりました。
強がる訳ではないですが、やはり前回開発したセンターパイプの寸法が良い事が確認出来たのでこれをベースにサイレンサーの仕様違いを試していく事にします。

sv650x ssoval (3)

次の仕様は近接をかなり抑えた仕様で加速走行騒音試験に確実に通るであろうサイレンサーでのテストです。
先程の駄目だった事でトーンダウンする訳ではないのですが、これはおそらくパワーダウンするであろう仕様です。

今回3種類造りましたが、開発していく上でサイレンサーの仕様を絞り込む為に予め予測した仕様をテストする事でSS-OVALに使う内部構造を決めようと目論んでおり、これも当然必要なテストです。(遠回りに見えつかも知れませんが。。。)

プロト2
その結果がコチラ。

こういうテストの中でも見出せる発見があったりするのですが、今回は特に無く。。。ただ音量が静かな事だけは確認出来ました。
おそらくノーマルよりもかなり静かな。。。 データも悪いのでこの時点でこの仕様は終了。

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さていよいよ大本命というか、近接設定90dBの仕様でおそらくこれでいけるであろうサイレンサーでのテストです。

仕様によってサイレンサーシェルを替えている訳ではなく、単純にシャーシダイナモ室にあるサイレンサーシェルに造った内部構造を組み込んだだけなのですが、結果としてテストでは間違いにくくて良かった気がしますね。

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因みにこれはカーボン仕様ではなく、CB250Rの開発の時に使っていたセラコート仕様のシェルを再利用しています。

プロト30
その結果がコチラですが、加速時の音量的にも案外ボリュームが無く、データも思ったより改善出来ませんでした。。。

前回のブログで「パワー的な事は凡そ見えているのですが」と書いた割には全然見えてない感じとなりましたが、そこで構造を少し変更した仕様を造り、再度テストです。

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GSX-S750の時もそうでしたが、SS-OVALに使かう構造を上手くまとめる事が出来ていませんが、インナーピースを変更する事でパワー及び音質の改善に期待です。

プロト31
ホッと一安心というか(笑)、ようやく欲しい答えが見えて来ました。
ただそれにより、やはり加速走行騒音が大きく、この仕様で認証試験をクリア出来るかは少々疑問です。。。

そのあともチョイ変更を試した結果、最終的に2種類の仕様で音量を調整しつつ最終仕様を決定していく事に決めました。

その続きはまた週明けに書く事にします。

それでは今日はこの辺りで。

SV650X SS-OVALスリップオン開発  - 序章 -

DSCN3233.jpg

皆様お久しぶりです。

商品開発ブログ(FC2)の更新は久しぶりとなります。

今回は、来週のJMCA認証試験に向けてK様にお借りした車両でSS-OVALスリップオンの開発日記を書いていきたいと思いますので宜しくお願い致します。

※ ブログを書いているこの時点で実際には全てのベンチテストを終了しています。時系列で書いていきます。

このSV650Xですが、実はお借りしたK様の車両には先に発売したチタンオーバルスリップオンが既に装着されており、弊社が車両手配の不備で少々困っていた時にお声掛け頂き、ありがたく開発に使わせて頂く事となりました。

因みに先に発売しているチタンオーバルスリップオンのSV650X装着画像はコチラです。

まずはチタンオーバル(ソリッド)タイプから。

SV650X OV3650JM (6)
SV650X OV3650JM (3)

そしてチタンオーバル(焼き色)タイプです。

SV650X SV3650JM (4)
SV650X SV3650JM (2)

※ その他、装着画像はH.P製品ページにて紹介していますので宜しくお願いします。

SS-OVALスリップオンの開発に入る前にまずはSV650Xノーマルのデータから確認です。

DSCN3256.jpg

V型ツインらしいトルク感で、ピークパワーまで力強く一気に吹け上がり、綺麗なパワーグラフとなりました。
伝わる振動やノーマルといえど吹け上がる際のVツインサウンド。。。惚れてしまいますね。。。(笑)もう100点満点です。

次に既に発売中のチタンオーバルスリップオンのデータがコチラ。

比較データSV650X
当たり前といえば当たり前ですが、開発当時の記憶と共に思った通りのパワーフィーリングで良い感じです。

SV650はノーマルのエキパイの完成度も高く、またサイレンサー自体も良く出来ていてどこの寸法を変更してもパワー変化が少なく、前回の開発時にも「どこにポイントを置くか」が焦点となりました。

ただそれに反してですが、仕様を変えた時のパワー変化は少ないもののサイレンサー構造の仕様変更に関して音量・音質の変化が思った以上に大きく、結果として1回目のJMCA認証試験は不合格となり、後日行われた2回目の試験で合格した経緯があります。

不合格となったのは加速走行騒音試験で1回目の不合格時には82dBに対して83dBオーバー(試験結果としては84db)となり、また運悪くこの時、自身で試験に行ってなかった事もあり、落ちた音量の原因に少し理解に苦しみました。

そして迎えた2回目の試験、Vツインらしさを残しつつ音量に関わる、いわゆる雑味(雑音)を調整し臨んだ結果が80dBと、82dBに対して今度は逆に2dBのアドバンテージを残しての合格となったのですが、1回目の結果をこの耳で体感していない事もあって、この試験結果には少々驚きでした。

というのも、1回目と2回目の仕様変更の差がかなり小範囲のものだったからです。

このクラスの排気量、ましてやVツインエンジンですから、水温が上がってからのエンジンノイズや排気音は当然ながら上がり、この事はマフラー屋さんでなくてもバイク屋さんなら公然の事実としてあるのですが、おそらく一回目の試験でもタイミング次第ではそのまま合格していた可能性もあったのでは?と思える位の小範囲での改良でした。

その結果、近接騒音値も87dBと音質は変わっているのですが音量自体はノーマルとほぼ変わらない結果となりました。

音量を大きくする事自体が目的ではないのですが、マフラーを開発する上では重要な要素で、バイクのキャラクター的にももう少し音量があっても良いのでは?とも考えたりします。

今回の開発ではそんな思いも相まって、SS-OVALスリップオンの作業に取り組んでいます。

まぁ、書くのは簡単なんです、はい(笑)
実際に作業するのは本当に難しく、またやり過ぎて試験に落ちて来る訳にもいかず。。。パワー的な事は凡そ見えているのですが、やはり音量・音質に関してはパワーカーブを整えながら考えていく事になるでしょう。

DSC_0175.jpg

因みにSS-OVAL仕様での一発目は前回開発時のデータを踏まえて音量は気にせず。。。といっても近接は93dBという仕様でパワー重視のタイプでベンチテストです。

その結果がコチラ。

プロト1
スリップオンの開発においてこのSV650X(SV650ABS)の場合、ピークパワーは殆ど変わらないのですが、なかなか良い結果となりました。

チタンオーバルのデータと似ている。。。と言われれば確かにですけど、これは開発している人にしか分らない部分ですが、まぁ上々のデータです。

「開発している人にしか分らない部分」と書いた時点で他の人に分らなかったら独りよがりになる訳ですが(笑)、ピークパワー以降の落ち込みを減らすべく造った構造で、それ自体は上手く機能しましたが、極低速、中速域でのフィーリングがかなり良かったので、このあとの弾みが付きそうです。

とはいえ、加速走行騒音は間違いなく落ちるレベルで、仕様違いのサイレンサーでその辺りも含めて進めていく予定です。

それではこの辺りで。

DSCN3318.jpg

プロフィール

ダブルアールズ

Author:ダブルアールズ
WR'S(ダブルアールズ)マフラーの開発状況などを掲載。

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