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GSX-R125/150 マフラー開発日記 - GSX-R125 完結編 -

GSX-R125マフラー開発 (1)
皆様こんにちは。

GSX-R125完結編です。

GSX-R150のJMCA試験が無事合格となり、次はGSX-R125を探すべく動こうとしてた時に弟からの電話があり、弟の友人が「GSX-R125のマフラーを探しているけど、マフラーってある?」って連絡をタイミング良く受けました。

その車両をお借りして早速テストさせて頂く事となりました。

GSX-R125 (1)
フルエキゾーストに交換する事も考えて右側外装を外し、ベンチテストを開始です。
因みにフルエキゾーストに交換する際も右側の外装は外す必要があります。

カウル前面のフロントカバー(+ネジ3本)を外してからカウルを外していくのですが、インドネシア生産のこの車体はボルトが異常に固く締め付けられている以外は、整備性や脱着製も非常にスムーズで、ヘキサゴンレンチで4箇所、+ネジがカウル側で2箇所、プッシュリベットを4箇所外すと比較的簡単にカウルを外せます。
※ プッシュリベットはカウル内側に隠れているので、予め確認してからの作業が懸命です。


それはさておき、ノーマルのパワーグラフがコチラ。
GSX-R125ノーマル
GSX-R150のノーマルグラフもそうでしたが、GSX-R125もこのクラスとは思えないほど、低速域から綺麗なパワーカーブを描いています。

でも、ノーマルでパワーチェックをした結果、高回転域の伸びの鈍さから、おそらくマフラーを変える事でGSX-R150の様なグラフ同様にかなり改善出来そうだと手応えを雰囲気的にも感じました。

今回は、先に合格したGSX-R150用を改めて装着確認し、ベンチテストで使える特性であるかのチェック作業ではありましたが、GSX-R125とGSX-R150のエキパイ径が、あまりにも違ったので、一抹の不安もありました。

「もしかしたら、エキパイを造り替えしないといけないかも。。。?」と思う位にわずか25cc差であるマフラーの仕様(太さ)が違ったのがその理由です。

またその為にセンターパイプセクションを予め違う仕様で製作しており、結果としてそちらが良ければ品番設定を分けてでも発売しようとも考えていました。

因みにGSX-R125とGSX-R150のノーマル同士のパワー比較ってどんなものか興味が湧きませんか?

GSX-R125 vs GSX-R150
わずか25cc差ではありますが、こんな感じで差となって表れています。

GSX-R125にしても最強レベルの15psですから、決して125ccとしては低い馬力ではないのですが、ノーマルマフラーの仕様から違う様に改めてGSX-R150のポテンシャルの高さに脱帽です。

GSX-R125マフラー開発 (2)
さて、いよいよベンチテストです。
少しでもGSX-R150に迫れるパワーフィールは得られるのか?
その結果がコチラです。

GSX-R125   ノーマルvsJMCAフルエキゾースト
テストスタート時から「いける!」とは思いましたが、グラフで見ても圧倒的にアップデート出来ている事を確認。
5,000rpmを中心にノーマルを下回る事が気になりますが、それより何より余りにもの差に思わずノーマルマフラーを装着して計測し直したくらいです。。。(笑)

結果は当然同じで、想像以上のパワーアップを果たす結果となりました。

先程も触れた、5000pmの部分が解消出来るか探る為に予め用意していたセンターパイプに交換してベンチテストをしましたが、その部分はほぼ変わらず、逆にピークパワーが下がる結果となり、元のマフラーの性能が優っている事も確認出来たので、とりあえず近接騒音を測定です。

DSCN1930.jpg
チタンオーバルタイプが近接89dB前後。

GSX-R125マフラー開発 (3)
ラウンドタイプが87~88dBと、こちらも基準値を余裕でクリアしています。

GSX-R125 ラウンドvsオーバル
因みにチタンオーバルとラウンドタイプの比較グラフですが、サイレンサー構造が同じな為にグラフもほぼ同じ結果です。
音量の差は構造は一緒ですが長さや体積が若干違う事もあり、その差ですね。

さて実際に乗って、その部分(5,000rpm)がどう感じるのか?高速域がグラフの様に体感出来るのか?を確認するべく実走しました。

その結果ですが、まず別物に思える位の高速域で、純粋にかなり手応えを感じた事、5,000rpm近辺のグラフでの落ち込みですが、個人的には贔屓目無しで全く問題なく。。。というか、非常にスムーズに加速するのでホント、落ち込みらしい部分は感じませんでした。

ただ、この5,000rpmというレンジは普通によく使うレンジでもあるので、「マフラー開発日々の出来事(アメブロ)」の方ではそのことにも触れ、私自身はそう感じましたが、ご購入にあたっては自身で判断下さいという旨を書きました。

そして先日、モトチャンプ誌の取材があり、キッシー岸田さんに試乗して頂きました。

モトチャンプ取材 (7)

キッシー岸田さんの感想は「私から先にその事を聞いていたので、パワーの落ち込みを体感しようと思ったけど、全く分らなかった」との感想を頂きました。

また高速域においては「電気(ECU)も同時にチューニングしたと感じる位」との評価も頂きました。

GSX-R125   ノーマルvsJMCAフルエキゾースト  (1)
結局のところ、赤丸で囲んだ低回転域がスムーズになった事と高回転域まで力強く伸びる特性も5,000rpm近辺のネガをノカして相殺してくれている事もあるのだと思いますが、決して乗りづらくなったりする事は無い事が証明されたと思います。

このマフラーは既にご承知の方も居るかと思いますが、先のJMCA認証試験においてチタンオーバルが近接90dB/加速78dB、ラウンドタイプが近接88dB/加速77dBで合格、リリースの運びとなっております。


後から書くと何でも書けますが(笑)、実はGSX-R150用に開発の時からGSX-R125の事を想定して何パターンものテストデータをGSX-R150で得ており、GSX-R150の最終仕様の寸法もGSX-R125を見据えて決定していたので、それが見事はまったパターンではありましたが、結果としてどちらの車両に対しても満足のいくマフラーに仕上がったと思います。

オプションステー (2)
発売は未定ですが、タンデムホルダーを使用しない方向けにアルミパイプステーの試作も造っています。

大変魅力的なGSX-R125/150ですが、9月にはネイキッドモデルであるGSX-S125/150用も同スペックでリリースする予定です。

GSX-S125/150オーナーの皆さん、もうしばらお待ち下さいませ。

という事で、GSX-R125/150 マフラー開発日記はこれにて完結です。

それでは失礼致します。
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GSX-R125/150 マフラー開発日記 - GSX-R150完結編 -

GSX-R150マフラー開発 (13)

皆様、こんにちは。
既に発売され、おかげ様で大好評を頂いているGSX-R125/150用JMCAフルエキゾーストですが、開発日記が完了していませんでしたのでその更新です。

開発当時はずいぶんとバタバタしてた事もあり、アメブロの日々の出来事ブログの方で更新した事でコチラの方もブログを完結したと勘違いしていましたが、先日、読者の方から「ブログが途中で終わっている」とのご指摘を頂き、慌てて更新してる次第です。

GSX-R150からの更新ですが、ご興味のある方は拝読頂けたら幸いです。

開発当時、弊社のシャーシダイナモが故障していましたが、その後、復旧して再び更なるパワーアップを目指して作業が進みました。

それまでのベンチテストで、3種類のセンターパイプをベースに様々なサイレンサーを組み合わせて測定、その結果、ポイントになる部分が明確に分って来ました。

前回、最終更新したブログでも書きましたが、このマフラーにおけるポイントは触媒にありそうです。

最近のバイクは特に言えますが、触媒の位置や採用する触媒の大きさでマ、フラー寸法はもちろん、パワーカーブにも大きく影響します。

皆さん、触媒を外したらパワーが出ると思っていませんか?
イメージが先行する部分でもありますが、「触媒外す=パワーアップ」とは中々いかないのが、マフラーの面白いところであります。

これは開発する上で順序次第なところもありますが、例えばレース用マフラーを造る際には当然、触媒が無い事を前提に造るのですが、仮に良い結果が得られたとして、ここにJMCA仕様に変更しようと触媒を入れると、中高速域を中心に大きくパワーダウンする事となります。

ちょっと前まではこんな感じで多くのメーカーがパワーを出した後、触媒を装着して寸法を微調整するといった事が多かったと思うのですが、今では触媒がどんどん大きくなり、触媒を無視してマフラーを開発する事は出来ず、その排気量や排ガス浄化性能を検討した上で、いわば「触媒ありき」でマフラーを開発する事が増えましたし、むしろそうしないと厳しい排ガス規制や音量規制に対応したマフラーは造れない様になってきています。

今回、GSX-R150ではJMCA認証マフラーとレース用(販売予定なし)の2種類を製作しましたが、同じ車両のマフラーとは思えない位に管長や仕様が異なっています。

それ位にマフラー開発のアプローチが一般公道用とレース用では違うという事になります。

話を戻すと前回テストした仕様のマフラーから触媒サイズを少し大きな物に変更しました。
排ガス自体は前回の物でもクリアしていたのですが、触媒を大きくする事で抜けを良くするという事ではなく、逆にある程度の排圧をかけるのが一つの目的です。

触媒装着位置を決めてサイレンサー構造も前回の仕様から少し変更し、ベンチテストを開始です。

GSX-R150 ノーマル (5)
と、その前にノーマルマフラーでのパワーチェックを先に行います。
そして比較したパワーグラフがコチラです。

GSX-R150 WRS JMCAプロト2
結果として高速域でかなり力強いパワーを発揮する事となり、ピークパワー発生回転数は12,500rpmという、ノーマルより1,500rpmも回る仕様となりましたが、個人的には9,500rpm近辺ではもう一息といった感じです。
実際、前回の仕様と比較してもこの部分でパワーが劣っています。

音量自体は90dB~91dB前後でしたが、高回転域の音質も金属音と言うか、あまりよくありませんでした。
この時点までは前回仕様を小変更する事で解決出来そうに思っていましたが、パンチング構造やパンチング径を全て見直す事にして、触媒はもうワンサイズ大きな物に変更する事に。

GSX-R150 ベンチテスト (6)
触媒変更に伴って管長も微調整していきます。

そして最終的に出た結果がコチラです。
GSX-R150 ノーマルvsJMCAフルエキゾースト
9,500rpm辺りのパワーカーブも改善し、非常に伸びやかな拡ろいパワーバンドを持つマフラーになりました。

音量はこの仕様で90dB前後と少し下がり、音質に関してはそれまでの金属音が消え、低音の効いたレーシングサウンドにも似た音質になり、聞き心地もOKです。

このGSX-R150ですが、近接騒音値は94dB以下なので、騒音値自体は余裕でクリアしているのですが、シングルであるが故にアクセルをブリッピングするとそれなりに存在感があるので、むやみに音量規定値ギリギリに設定する事は避けたい事がひとつ、それにこのマフラーは当初から「GSX-R125/150用」として販売する目的があったので、GSX-R150で音量を大きくし過ぎると、GSX-R125に装着した際、125ccの規定値(90dB)を超す恐れがあったので、その点も踏まえての音量です。

GSX-R150 WRS 最終型(赤) VS PROT2(青)
因みに最終仕様が赤線で、その前の仕様が青線です。
9,000rpm~10,000rpmが大きく改善出来た事が確認出来ます。

この仕様でJMCA認証試験を受験し、チタンオーバルは近接91dB/加速79dB、ラウンドタイプは近接90dB/加速78dBで合格して参りました。

こうしてGSX-R150用は完成しました。

このあとGSX-R125でのテストですが、装着確認自体は既に出来ており、あとはベンチテストによるパワーチェック、そして音量等の測定です。

ベンチテストの結果、パワーグラフ自体は良くても音量が規定値を超えると同じ仕様(品番)で販売出来なくなるのでこの時点では結構ドキドキです(笑)

以降は次回に続きます。

夏期休暇に関してのお知らせ

平素は格別のお引き立てをいただき、厚く御礼申し上げます 。 夏期休暇につきまして誠に勝手ではございますが以下の通り休業させて いただきます。



・ 夏期休暇  平成30年8月11日(祝・土) ~ 平成30年8月16日(木)迄



尚、出荷に関しましては8月10日午前11時迄ご注文頂いた在庫有の商品は8月10日の出荷となり、それ以降のご注文分に関しては8月17日(金)より出荷となります。



休暇中は皆様方には大変ご不便・ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご理解賜ります様宜しくお願い 申し上げます。

CB400SF・SB(型式2BL-NC42)用スリップオン 開発日記 

DSCN1870.jpg

皆様こんにちは。

さて前回からの続きです。

センターパイプが大口径φ60.5になった事に加え、SS-OVALのサイレンサー内部の仕様が比較的に抜けが良い構造の新型Nina400用のサイレンサーの組み合わせで音量的には数値が大きく出ると思われたのが、86dBとノーマルより4dBも静かな結果となり驚きましたが、ラウンドタイプの方は当初、前モデルと同じ構造ながら出口のインナー径を大きくした物を用意して計測したところ、こちらも87dBと、予想外の展開です。

BK1455JM (6)
因みにこのサイレンサーのインナー径を大きくした仕様だったのですが。。。


この時点でサイレンサーの種類に合わせてコンセプトを定め、SS-OVALの方はその質感に合わせてジェントルな音質でハイエンドモデルにふさわしい雰囲気に仕上げる事にしました。

一方、ラウンドタイプは外径をスリムに、そして長さもショート化して、ラウンド(真円)の持つスポーティーさとワイルド感を前面に押し出す感じに仕上げる事にしました。

2018CB400SF・SB (10)
という事で内部構造を変更すると共にラウンドタイプの方は全くのイチから製作する事にしました。
ラウンドタイプは「Sラウンド」と呼ぶ事にしましたが、写真の様にサイレンサー差込径とサイレンサーシェルとのバランスをGPサイレンサーの様にギリギリまで攻めた感じで仕切り直しです。

Sラウンドはその後、音量を調整しながら外径や長さを調整し、最終的にはこんな感じで完成です。

DSCN2024.jpg
一番上が前モデル用に使用した物(φ105×350L)で、下の2本は今回採用したサイレンサー(φ86×330L)となります。
実物より写真で見ると案外差が分りにくいですね。。。(笑)

IMG_1802.jpg
装着した写真の方が分りやすいですかね?こんな感じです。

音量に関しては、ジェントルな感じで仕上げるSS-OVALはノーマルより少し大きい音量で、重低音を効かせる様にした結果、ノーマルより1dB大きい91dB(試験結果)としました。

2018CB400SF・SB (14)
それでもサイレンサー容量自体が大きいので結果としてバッフルレス仕様で後ろからの見た目はインパクトがあります。

Sラウンドはワイルドさを演出すべく、こちらは音量・音質の調整にかなり苦労しましたが、このバイクの規制値(95dB)に対して94dBと、直4サウンドを余す事なく楽しんで頂ける仕様に決定しました。

その他、ベンチテスト用にそれぞれ何種類かのサイレンサーを用意して、いざ計測です。

DSCN1894.jpg
まずはSラウンドから。

そして出たパワーグラフはこんな感じです。

DSCN1901.jpg
黒丸で囲んでいる部分は、2バルブから4バルブに切り替わるところで、パワーの落ち込みではないのでご安心を。

ノーマルの時点で前モデルより3馬力も上がっているので、上積みは難しそうな気がしていましたが、思った以上に加速スピードも速く、対比グラフにもしっかりその差が表れていて結果としては上々で良かったです。

因みにこのスリップオンは、平成28年排ガス規制に合わせてかなり大きく目の細かな触媒が組み込まれているので、パワー的な事に一抹の不安を感じていましたので、一気に肩の荷が下りた気分でしたね(笑)


DSCN1891.jpg
続いてSS-OVALのベンチテストです。
こちらはSラウンドより音量が小さいとはいえ、写真の通り、バッフルレス仕様なのでパワー的には遜色の無い筈ですが。。。

DSCN1903.jpg
コチラもやはりほぼ同じ様なグラフとなりましたね。 ホッとしました。。。(笑)

ただ、このままでOKという事ではなく、この後も仕様を変えたサイレンサーでベンチテストをしましたが、良くも悪くもパワーグラフは誤差程度しか変わらない事を再確認して、無事ベンチテストは終了となりました。

因みにこの後、触媒を外した状態でもベンチテストをしたのですが、パワー的には全く何の変化も無かった事を確認しています。

結論からいうと、決め付けるのはアレですが、スリップオンという性質の中では現状、ベストに近い物が出来たと考えています。

試験結果は既にアメブロの方でも更新させて頂いた通り、無事合格となりました。

排ガスに関しては平成28年規制がかなり厳しくなった事で、それまで入れていた触媒と比べてかなりの大口径化、そして触媒コストも2倍以上になり、造る側にも購入されるユーザーにとってもメリットの無いコスト増となってしまうのが大変残念ですが、今の時代は「安心・安全」が最大のテーマであり、またアフターマフラーとしての責務でもありますので、この部分はしっかり対処しながら今後も向き合って行くつもりです。

既にH.Pインフォメーションではリリース情報を更新しておりますが、納得の仕上がりとなっていますので、是非体感して頂ければ開発した者として嬉しく思います。


商品の詳細はまた詳しくお知らせしたいと思いますので宜しくお願い致します。

2018CB400SF・SB (30)

CB400SF・SB(型式2BL-NC42)用スリップオン 開発日記 - 序章 -

皆様、こんにちは。

本日、弊社H.Pインフォメーションにリリース予定日及び品番・価格のお知らせをさせて頂きましたので、このタイミングになって「序章」も何もない感じで申し訳ございませんが、開発ブログを更新させて頂きます。

2018CB400SF・SB (4)
今回のCB400SF・SBに関してですが、それまでの型式「BC-NC42→EBL-NC42→2BL-NC42」とNC42型式としてその時代に合わせた排ガス規制や騒音基準に適合しながらディティールアップされ、洗練化されて来ましたが、設計という意味でのエンジン面に関しては特に変更点はございません。

ただ、今回の新規制に伴い、性能面では変化がありました。
何回かブログでも書いていますが、新しく導入された加速走行騒音試験方法では、街中での加速走行騒音を低減する事に、より重きを置いた試験となります。
かなり厳しくなっているのですが近接騒音値自体の概念が無くなっている事もあり、車検時には加速走行騒音試験を合格した際に計測・車体に記載されている数値を基に検査する事なります。

2018CB400SF・SB (5)
上の写真の数値でいうと、加速走行騒音値は、『2速40.5km/hでアクセル全開進入時の音量が79.0dBであり、その時に計測した近接騒音値は90dB/5,500rpmです』というシールが貼られている事になります。

因みに車検証の備考欄にもこの数値は記載されています。

また近接騒音値に関してですが、経年変化(劣化)を考慮して記載の数値プラス5dBまでが車検の通る基準となっています。

このプラス5dBがJMCA認証マフラー等のアフターマフラーにも適用される事となり、このCB400SF・SBでいうと、最大95dBまでが車検対応となるマフラーになる訳です。

それまでの法律は、近接騒音値が一律に94dBと定められていたので、それを考えると規制緩和にも見えそうですが、実際のところで言うと近接ギリギリでは加速走行騒音値がクリア出来ずといった事になるので決して規制緩和では無いんですよね。

因みに新規制後の車両は車種ごとに近接騒音値が個別に設定される事となります。

例えばカワサキのZ900RSは車体に「93dB」と記載されています。
数値のままで理解すると『98dB』までOKという事になります。。。が、しかし実際に加速走行騒音値を合格したマフラーの中でこの98dBという数値で合格したマフラーは一本も無かったりします。

先程も書きましたが、結局加速走行騒音が非常に厳しく、この加速走行騒音値をクリアしようとすると、近接騒音値はノーマルと同じ93dBかそれ以下でないと試験自体に合格しないんですよね。。。上手く出来ています。。。(笑)

まぁ、無茶は出来ないよ!という話ですが、稀にその法則に当てはまらないバイクも当然ある訳で、実はこのCB400SF・SBだったりするんですよね。

これだけ引っ張っておいて。。。ですが(笑)、本来ホンダの直4は完成度が非常に高く、この前進のBC-NC39から考えても約20年の間、熟成されているエンジンです。

今回の新型式CB400SF・SBは排気効率を最大限高めたこんな感じのサイレンサーを装備していました。

2018CB400SF・SB (2)
2018CB400SF・SB (3)
前型式車両と比べ物にならない位の大口径です。

パワー的にも前モデルのスペックは53ps/10,500rpmでしたが、新型式車両では56ps/11,000rpmと、この厳しい環境基準値や加速走行基準値をクリアしつつも何と3馬力もアップしているんです。
それもエンジン自体は基本的に同じでです。

我々、アフターマフラーではスリップオンの場合、2馬力も変わる事はほぼあり得ない常識の中で開発してるのですが、流石ホンダさんというか。。。驚きましたね。。。(笑) 

※ 誤解の無い様に書くと、実際にはVTECの進化やスロットルボディの大口径化等、吸・排気全般の見直しがあっての数値です。

そして音量もノーマルで90dBですから、直4サウンドが非常に心地良いというか、目を瞑って聞いていると、それこそアフターマフラーそのものです。。。

2018CB400SF・SB (6)

それとこの写真を見て頂くと分ると思いますが、エキパイに大きな触媒が二つ入っている上にサイレンサーにも更に大きな触媒が入っている事が分ります。

実はこのCB400SF・SBですが熟成されたこのエンジンのウィークポイントは排ガスなんですよね。

熟成されたエンジンとはいえ、設計自体は古くて当時とは雲泥の差がある厳しい環境基準値になっているので致し方の無い所ですが、アフターマフラーを開発する上では他人事では無く、我々のマフラーにも必然的に大きな触媒を内蔵する事となります。

今回、車両はBEAMSさんにお借りしてマフラーを開発しましたが、事前に浄化性能を計算し、BEAMSさんとも検証しながら触媒を選定していきました。
市場ではライバルとなりますが、日頃仲良く車両シェア等をさせて頂いており、こういう面では互いに協力し合い、市場ではガチンコで勝負という感じで、切磋琢磨させてもらっています。

2018CB400SF・SB (1)

それで出来上がった試作一号はこんな感じです。
細かな仕様はこの後の作業になりますが、ベースの構造は新型Ninja400用スリップオンとほぼ同じ仕様です。
センターパイプがかなり太くなっているのは、単純に迫力のある雰囲気にしたかった訳ではなく、前モデルまで採用していた触媒では役不足の為、浄化性能をそれまでの2倍以上にもなる触媒を採用した事により、必然的にセンターパイプ径が太くなった次第です。。。まぁ、結果として迫力ある雰囲気になりましたけど。

因みにセンターパイプはビッグバイクと同様にφ60.5です。
かなり音量的に大きくなる事を想定しながら、まずは近接騒音値をチェック。

測定した結果、近接騒音値は。。。86dBでした。

一瞬、意味が分りませんでしたけど(笑)、元々このエンジンはかなり静かではありましたので、ノーマルのサイレンサーは相当本気で抜けの良い仕様になっているのでしょう。
ノーマルよりかなり音量が小さいです。。。

車両型式が変更になり、追加ラインナップが今回の仕事と考えていましたが。。。
決して手を抜くつもりは毛頭ございませんが、ベンチテストをする以前の問題ですね。。。

次回は仕切り直してサイレンサー内部構造を再設計して臨むとこから書きたいと思います。



プロフィール

ダブルアールズ

Author:ダブルアールズ
WR'S(ダブルアールズ)マフラーの開発状況などを掲載。

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