MT-25 / YZF-R25 用フルエキゾースト開発日記  - プロトタイプ製作編 -

MT-25 フルエキ開発③ (1)

WR'S(ダブルアールズ)マフラー開発担当です。

何か急に寒くなって来ましたね。。。
考えてみると11月も今日を入れて後5日、今までが暖か過ぎたんですけど、そのおかげなのでしょうか?調子の悪かった10月の売り上げから今月は一転して調子の良かった9月の様にたくさんのマフラーが出荷されたみたいです。

みたいです、というのはここ最近全くといっていい程、量産に関わってなくて「何か忙しそうにしてるな!」と他人事の様には思っていたのですが(笑)、これも皆さんのご注文のおかげという事で本当に感謝しています。(お買い上げありがとうございます!)

おかげ様で開発にかかる経費も堂々とかける事が出来ます(笑)

さて、前回である程度目処が立ったのですが、アフターファイヤーが収まりつつあるものの、同時に音質の改善もする思惑でエキパイ等の寸法はそのままにサイレンサー内部の構造を更に手を付ける事にしました。

イメージではかなり良い結果が得られる筈で、順調に来た流れをそのままにフィニッシュまで行けたらと、調子に乗っていたら全く逆の結果を生んでしまいました。

構造的な事で詳しくは書きませんが、この結果はショックっというか、根拠無く試した訳では無かったので驚きの方が大きかったですね。

中速域での特性は上がったのですが、音質・音量がダメで、アフターファイヤーに至ってはこれでもか!って感じで、仕様を変えるのに費やした約2時間が少し腹立たしかったですね(笑)

そもそも隔壁構造のノーマルサイレンサーに比べると、ストレート構造では必然的にアフターファイヤーは多かれ少なかれ出るものなのですけどね。

また音量や音質に悩んでいる時って、結果としてアフターが出てしまう事が多いです。(より目立ってしまうのかな?)

この時点でようやくこの寸法での試みは諦めてパイプ寸法の変更に着手です。

MT-25 フルエキ開発③ (3)

触媒の装着位置も気になったりしますが、とりあえずはエキパイを伸ばしてみる事に。
実はエキパイは少し短くしてもいいかな?と経験的な勘で思ってるんですけど、エキパイ長が長い方がMT-25/R25の特性を引き出し易いとの情報が。。。

どの筋の情報かはさておき(笑)、あくまでも触媒内臓のストリートマフラーに関しての話なんですけど、結果としてはあまり思わしい方向にはいきませんでした。

グラフはそんなに大きく変わらないんですけど、アクセルの反応スピードがノーマルチックになるんですよね。
ダイレクト感に欠けるというか。。。

少し微調整はしましたが、結果としてエキパイ寸法は元の寸法から大きく変更せず、ここは自分の経験値を信じてセンターパイプを変更して行く事に。

結果としてはコチラが大正解でした。

ベンチテストを重ねながらセンターパイプのレイアウトも考慮して作業を進めて行きます。

MT-25 フルエキ開発③ (4)
※ この写真を見て分った貴方は上級者です(笑)

パイプ長を変更した事で全体的になかなかのデータが計測出来ました。

プロトタイプB VS ノーマル 348
黒線がノーマルで赤線がプロトタイプBです。

パイプ長が長くなった結果、レスポンスも柔らかくもなく、ギスギス感もなくといった絶妙なバランスが見えて来ました。

この仕様に合わすべくサイレンサーの内部構造も微調整した結果、音質的にも低音がしっかり効きながらアクセルを開けた時の音質がかなり心地のいい音になってきました。

データとしてはかんな感じです。

プロトタイプC VS ノーマル 349
黒線がノーマルで赤線がプロトタイプCです。

グラフ的には前回のものとほぼ変わらないですね。
ただし音質は大きく変わり、アフターファイヤーもほどほどに気にならなくなりました。

データを見る限り、納得のいくデータが出たと思っていますが、もしかしたら触媒の位置次第でさらに改善する可能性もある様な気がして。。。

ですが今回、取材で乗ってもらう仕様はこれでいく事としました。

エキパイ部からレイアウトの再確認をして。。。

MT-25 フルエキ開発③ (5)

アンダーカウルのクリアランスも絶妙ですが、量産時には更に詰めれそうな感じです。

センター、そしてテールパイプのレイアウトも完了。
MT-25 フルエキ開発③ (7)

現時点でアイドリング時の音量が76~77dBで近接音量が91dB前後と音質・音量面もバッチリです。

実は今日、雨の影響でインプレ取材は明日に変更。

なので明日、インプレして頂くジャーナリストにも意見を伺い、自分でももう少し距離を走って、最終的な判断をしたいと思っています。

順調にいってるのですが、それだけにまだ試していない事、そう、気になっている触媒の位置の変更をするかどうかを見極めてみたいと思います。(って、エラい気にしていますが 笑)

触媒位置に関しては普段入れている場所と変らないんですけどね、でも今回は何故か気になっているので。。。(笑)

まぁ、取り敢えずは明日のインプレでどんなコメントが聞けるか楽しみですね。

それでは今日はこの辺りで。

MT-25 フルエキ開発③ (2)
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MT-25 / YZF-R25 用フルエキゾースト開発日記  - ベンチテスト編 -

MT-25 フルエキ開発② (1)

WR'S(ダブルアールズ)マフラー開発担当です。

昨日は勤労感謝の日でしたが、そんな事は構わずにブログ更新や雨の降る前に実走テスト等を行なっていました。
まぁ、フィーリングチェックですから近所を一周回ってきた程度ですけど、かなり完成形は見えてきた感じです。

ブログの内容は、まだそこまで追いついていませんが、本日はそれまでの経過を一挙にパワーグラフで紹介しながら進んでいきたいと思います。

エキパイのレイアウトは治具である程度決めたものの、センターパイプ以降はフリーレイアウトなので、ビジュアル的にまだ皆さんにお見せするのは控えさせて頂きますが、最初にベンチテストするサイレンサーを選び、とりあえず回してみました。

仮にこのサイレンサーを仕様①としますが、近接騒音値は91dB前後にしています。
そのデータがこちらです。

MT-25 ファースコンタクト
黒線がノーマルで赤線がフルエキの仕様①です。

最近はなかなかファーストコンタクトでノーマルを上回れませんね。。。(笑)
しかしながら低速域から中速域の特性はしっかりと出ていて、これを見る限りバイパスは必要なさそうな感じです。

またノーマルエキパイと基本的に同寸法・等長としてるにも関わらず、仕様①サイレンサーのピークパワーがかなり手前に来ていると言う事は、明らかにサイレンサーのインナー径を絞り過ぎた結果で、実際に回していてピーク付近の回転が重かった印象があります。(平たく言えばサイレンサーの選択ミスですけど)

91dB前後の仕様でインナー径を絞り過ぎているという結果は、ある意味先が思いやられる感じですが、それならとNinja250用フルエキに使用してるサイレンサー(インナー径がコチラの方が太い)で再度、挑戦です。
ちなみにこのサイレンサーでの音量は94~95dbと、既に音量オーバーしていますが、とりあえずチェックがてら回してみた結果がコチラ。

MT-25  サイレンサー仕様②
同じく黒線がノーマルで赤線がフルエキ仕様②です。

仕様①よりインナー径が大きくなった分、高回転では予想通りパワーが伸び、ノーマルと同等になりましたが低中速域のおいしいトコが消えてしまいました。。。 う~ん、やはり難しい。。。(笑)

でもこれで見えて来た部分はありました。
パワーカーブをを見るにもしこの径のエキパイでいけるなら、どうやらバイパスはいらないだろう事と、インナー径によって特性の違いが明確に出てるところです。パンチング径もかなり影響してそうです。

それならばと多段パンチング採用し、音量を抑えつつインナー径を変更した仕様③でベンチテストです。

MT-25 サイレンサー仕様③
同じく黒線がノーマルで赤線がフルエキ仕様③です。

少し見えて来ましたね。頭の中で考えている事と結果がマッチしてる様です。
とは言うものの、スリップオンと比較してみると、まだまだ先は長そうです。。。

MT-25  サイレンサー仕様③ VS スリップオン
今度は青線がスリップオンで赤線が仕様③です。

普段ならこの時点でエキパイ寸法を触りたくなるのですが、グッとこらえてセンターパイプの仕様変更し、出た結果がコチラ。

MT-25 仕様③ +DFA
黒線がノーマルで赤線がフルエキ仕様③+Aです。

この時点でピークこそスリップオンに0.5ps劣っているものの、ノーマルとの対比ではしっかり差が現れだしました。
と同時になんですがセンターパイプの仕様変更の結果、加速騒音値が大きくなり、アフターファイヤーも目立ちだしました。

正直言って、宜しくない耳障りな音質です。(音量自体は93~94dBと少し音量が下がっています。)

燃調的に薄く出ているからアフターファヤーが。。。と、答えはそんなに簡単なトコになく、今回は全く違うトコに原因がありそうです。
仕様変更前にはあまり出なかった物が仕様変更後に出てるので、原因はもちろんそこです。

仕様変更の結果自体は良い方向なので、その部分を更に改良してみました。

MT-25 フルエキ開発② (2)
※ 写真から変更部分が分った貴方、スゴ過ぎます(笑)

そしてその結果がコチラ。
MT-25 仕様③ +DFB
黒線がノーマルで赤線がフルエキ仕様③+Bです。

珍しく今回はコワい位にやる事なす事がうまくいってますね(笑)
ちなみにこのテスト前に念の為にノーマルで再度、ベンチテストしていますが、その結果は前回より0.2PS落ちてパワーカーブも全体的に良くないので、パワーが出てる前回のグラフで比較しています。

アフターファイヤーが収まる方向になり、音質改善しつつも仕様③+Aよりも低中速域からピークパワー(言っても0.2psだけですけど)も良くなったのですが、何よりシャーシダイナモ上ですが明らかに14,000rpmの到達時間が早くなっています。

MT-25 仕様③ +DFB 加速時間

グラフ右側の縦軸が時間を示しますが、4,000rpmを超えてからフルエキ(赤線)の加速時間が速くなり、9,000rpmの到達時間はノーマル(黒線)が約10秒かかるのに対してフルエキ(赤線)の方は約9秒強と、あくまでも無負荷の状態ですがグラフ以上の力強さをベンチを回していても感じます。

ホンマかいな?という、自分の疑問を確かめる様に(笑)、試乗チェックに行って来ましたが。。。 多分、誰でも体感出来るのではないかと思える位、しっかり実感出来ました。

この後、更に煮詰めていく事となるのですが、実は今週木曜日にインプレ取材でMT-25のフルエキを試乗してもらうのですが、非常に楽しみにしてる次第です。

この時点でのスリップオンとフルエキの比較データはというとコチラです。

MT-25 仕様③ +DFB VS スリップオン
青線がスリップオンで赤線が仕様③+Bです。

ピークこそわずかにスリップオンが優っているものの、スリップオンの時に体感しきれなかった差がしっかりとフルエキで感じられる事こそ、フルエキの価値があるってもんですよね。

実はこの後、更に寸法変更を行なっていくのですが、それは次回のブログという事で。

いやぁ、パワーグラフラッシュとなってしまいましたが(笑)、今日はこの辺りで。

MT-25 フルエキ開発② (3)

MT-25 / YZF-R25 用フルエキゾースト開発日記 - エキパイ編 -

MT-25・R25 フルエキ開発① (6)

WR'S(ダブルアールズ)マフラー開発担当です。

マフラー開発も進み、最終プロト仕様でチェックに入っているトコまで来ていますが、「開発日記」という事でやっていますので、順を追って書いていきたいと思います。

まず、業務連絡(?)として最初に同業他社さんへの返答から。。。(笑)

同業の何人かの方から確認が入っていたですが、冒頭写真の様にMT-25/MT-03の場合、アンダーカウルのマフラーが通る部分のみカウルがえぐられてるんですよね。

なので、YZF-R25/R3用に造られたマフラーで排気ポートからそのまま下に流れるレイアウトのマフラーはこのアンダーカウルが干渉する事になるので、取り付けは「×」となります。

電話で話すより、写真を見てもらった方が早いので。。。以上、報告でした。

※ ちなみに「ダックスとWR'Sの車両は自分の車両!」と以前ブログで公言してた豊中BOSS、12月の加速試験後に車両が空きますので持ってって下さいね~!(笑)


さて開発ブログに戻ります。

まず外したノーマルマフラーがコチラ。

MT-25・R25 フルエキ開発① (2)

ノーマルはこんな感じになっています。
膨張室の容量がハンパ無く大きい事が分りますね。
この部分までで、性能・消音面という仕事を80%以上終わらせている為、サイレンサー部は音質やアクセルフィーリングや特性的な味付けを担っている程度で小型化も納得がいきますね。

MT-25・R25 フルエキ開発① (3)

このニョキって出た細いパイプがスリップオンのジョイント部です。
直径φ32でR25が発売された当初、マフラー屋さんがスリップオンで苦労したのがあらためて分ります。
(ちなみに苦労したのはシャーシダイナモでベンチテストした会社だけですけどね。)

さてさてフルエキですが、このノーマルのエキパイの寸法を計測したところ、1番と2番のエキパイの長さが結構違うんですよ。

わざと?なのか、それとも違う要因か。。。
MT-09の場合、クロスプレーン採用の3気筒で、このバイクの場合は吸気側(インシュレーター)からエキパイまでを設計上、意図してエキパイを不等長としてるのですが、MT-25の場合は推測するに意図的な思惑は感じられないんですよね。

MT-25の場合、全く意味が無いですから。

今回、この辺を考慮してノーマルやスリップオンのベンチデータを元にパイプ径を決定、パイプ長に関してはノーマルの1番、2番のエキパイ長を足して2で割った長さで、エキパイを等長させたところからスタートさせる事としました。

先ほどのMT-09(3気筒)の話はさておき、2気筒でも4気筒でも等長させた方が良いに決まってますからね。

またノーマルに見られる連結パイプですが、これも先入観を持たず、とりあえずは無しでいきます。

ベンチテストをして必要ならそれはグラフに必ず表れるので、その時に対処すればいいだけで、何の為にバイパスを入れているのかはノーマルエキパイの事情にもよるでしょうからね。

ちなみにNinja250(2気筒)の場合、結果としてバイパスは無しでも低中速に谷が出る事もなく、高回転域では乗って体感出来る程のパワーカーブになりましたし、そう考えると開発する人間のタブーは「先入観」って事でしょうかね。

今回、エキパイを造るにあたっては冒頭でも書いた通り、アンダーカウルの干渉を避ける為に珍しく仮の治具を製作してからそれに合わせて必要な寸法でレイアウトを決めていきました。

MT-25・R25 フルエキ開発① (4)

私の場合、通常ならまずは欲しい寸法でレイアウトをあまり考慮せず、ある程度目処が立ってから最終的なレイアウトに進んでいくのですが、何せエキパイの通るクリアランスがこれだけなので、効率良く作業するにはこの手法がベストです。

MT-25・R25 フルエキ開発① (5)
こうやって見ると自由度の少ない事が分るでしょ?

個人的にはあまり制約を設けて開発するのは好きじゃないのですが、治具上でレイアウトしながら等長化するので1番と2番のエキパイの長さは1mm以内の寸法でバッチリ等長出来ました。
ちなみにデメリットがあるとすれば、エキパイ寸法や形状が大きく変わった時に治具が使えない事ですね。(考えたく無いですが 笑)

MT-25・R25 フルエキ開発① (7)
で、こんな感じに。

左右対称で真ん中で集合すると比較的というか必然的に等長って出来るんですけど、オイルパンの出っ張りを避けたり、レイアウト上、どちらか一方にエキパイを振ると途端にパイプの長さが合い辛くなってきます。

そもそもエキパイがクネクネ曲がっているのは、カスタムチックに見える事が優先じゃなく、等長する為に曲げながら寸法を稼いだり、最短距離で短くしたりしながらビジュアルを損なわない様にレイアウトしているんですよ。

この作業はマフラー開発が楽しい瞬間でもありますが、これはベンチを回して一発で答えが出た時だけです(笑)
たいていは試行錯誤の繰り返しとなりますが。。。

MT-25・R25 フルエキ開発① (8)

MT-25・R25 フルエキ開発① (9)

写真だけで見ると余裕がありそうなのですけどね、どうしても等長しながらレイアウトするとやはりカウルが干渉したりするんですよ。

治具上で等長してると「このレイアウトいい感じ!」みたいにイメージが先行する事があり、結果としては2回干渉し修正ました(笑)

とはいえ無事エキパイは完成、既に選定してる触媒をどの位置に配置するか、決めかねていますがとりあえずはセンターパイプまでをレイアウトし、試作第一弾としてシャーシダイナモにかける事としました。

今日はこの辺りで。

MT-25・R25 フルエキ開発① (1)

MT-25 / YZF-R25 用フルエキゾースト開発日記 - 序章 -

WR'S(ダブルアールス)マフラー開発担当です。

長く更新が途絶えていて申し訳ございませんです。。。(汗)

明日行なわれる予定の加速走行試験に参加しない事は元々決定していましたが、それにしても予定よりかなり遅れてるのは事実で、その原因の一つ、いや最大の理由が実は開発に無くてはならないシャーシダイナモが故障してしまい、復旧するのにかなりの時間を割いてしまいました。。。(大汗)

またその他、諸々の仕事も抱えていた事もありますが、それらは全て終わらせましたので、ここからギヤを上げて進めて行きたいと本気で考えていますので何卒、宜しくお願いします。

実はそれなりに開発の方は進んでいるのですが(当然ですが)、諸々の仕事の一つがこれです。

エクストリーム 小川選手号 (1)

前のブログでも触れていますが、エクストリームライダー小川号のマフラーを開発しておりました。

小川裕之 (1)

先日、モロッコで行なわれたインターナショナルスタントコンテスト(世界選手権)で堂々の3位表彰台を獲得した小川選手ですが、来年に向けての仕様を話し合い、彼がより集中してスタントを行なえる様にとパイプレイアウトや特性、そして音量・音質に至るまでリクエストに応えるべく、マフラーの開発をしていました。

エクストリーム 小川選手号 (2)
小川選手の希望で、サイレンサーは焼き色異型オーバルを採用しました。

本チャン用、練習用のプロトタイプが出来上がり、小川選手も大変気に入ってくれたので良かったです。
エクストリームに使用するこのバイクはリヤキャリパーが2つ装着されている等々、写真を見て分る通り、かなり興味深い車両となっていますが、これはまたの機会でブログに書かせて頂くとして、MT-25を目の前にしてこんなマフラーも製作していました。

2015YZF-R1 (1)
こちらは2015 YZF-R1 TT45相馬選手号のフルエキゾースト(レース用)です。

2015YZF-R1 (2)
2015 YZF-R1は、今年の8耐優勝、そして全日本JSB1000クラスにおいてもチャンピオン獲得と、来年のレースにおいてYZF-R1ユーザーが多くなりそうな感じです。

ちなみに今回はこのマフラーの開発を殆ど(有)アンレーベル辻井さんが活躍して出来た様なもんですけどね(笑)
辻井さん、お疲れさんでした(笑)
なのでサイレンサーエンブレムもこんな感じになっています。

2015YZF-R1 (3)

実戦テストはこれからで、順調にテストが進めば鈴鹿地方選手権の最終戦に投入される予定ですが、ここからの改良も当然出てくるでしょうからやはり照準は来年になるでしょうかね。
またこちらの方も何かしら進展があれば、ブログで報告したいと思います。

それぞれ全く違うカテゴリーですが、求める答えはJMCAマフラーでも常に一緒です。
シチュエーションこそ違いますが、要は何を必要とされているか?これに尽きると思います。

このノウハウが糧となって。。。みたいな事もありますがそんな事はさておき、シンプルに何を求められていて、それに対して何を提供出来るか!だと思います。

さてさてようやくMT-25の話に入りますが、このバイクのスリップオンの開発当初(開発当時はR25)に各マフラー屋さんの間では、「何を変更してもノーマルと変わらない」という様な話が持ちきりでした。

ならばフルエキでは。。。?というと、更にパワーが変わらないないどころか、ノーマルに勝てない。。。みたいな感じになっていたのを思い出します。

実際、開発当初は誤差範囲位の変化が出るか、出ないか位の感じでしたが、スリップオン差し込み口が細い径である事等から抱いていた先入観を排除してパイプ径を変更していく過程で、パワーグラフが目に見えて変化し、最終的には納得のいくデータに仕上がり、おかげ様で現在も大変好評頂いています。

ちなみに弊社のスリップオンは高回転域で伸びが良いと、インプレしたジャーナリスの方やユーザーからも言われており、MT-25の慣らしの時もそんな言葉を意識して乗っていたのですが、贔屓目なのか、個人的には低速域からいい感じに感じるんですよね(笑)
MT25・MT03  FV2260JM (2)
※ ちなみに主に乗っていたのはこのS.O.Vです。

とは言っても、そんなに性能差がある訳もなく、あくまでも体感で、感じれない人も当然いらっしゃる事でしょうけど。

それならばと、今回はMT-25でパワーグラフを比較する事にしました。
この方が簡単明瞭な答えが出るのですが、緊張の一瞬でもあります。
YZF-R25の時に別に悪さをして出したグラフでは無いのですけど(笑)、マフラー開発の「あるある」で開発してベンチ回してって繰り返してるとパワーが出た時にホッとして、いざノーマルを装着して計測すると「ノーマルも一緒にパワー上がってるやん。。。」みたいな事があるんですよね(笑)

MT-25 パワーチェック

もちろん、そんな事が無い様に当然の事ながら「後チェック」もしてるんですけど、それでもやはり緊張します(笑)

ちなみに一度開発終了したマフラーを違う車両で再検証する事も開発者が嫌がる「あるある」ではあります(笑)
さて、その結果でたデータがこちらです。

MT-25 パワーグラフ スリップオン
黒線がノーマルマフラーで赤線が弊社スリップオンです。

車両(車体)の個体差もあり、YZF-R25の時と比べて若干、この車両の方がピークパワーは低かったですが、描いたパワーカーブ自体は当然ながらYZF-R25とほぼ一緒で、スリップオンによって描いたパワーカーブ、そして出たパワーに関しても若干、今回の方が差は少ないもののしっかり再現出来ていましたね。

※ 気になる方はYZF-R25ブログで確認して下さいね。

話を元に戻すと、やはりグラフで見ると低速域から繋がり良く高速域までノーマルを上回っており、体感し難いかも知れませんが、決して高速域だけ良い特性という事では無い事がグラフで確認出来た次第です。

実際のところ、先にも書いた通りフルエキといえども近頃の厳しい環境基準値や燃料噴射量云々を考えるに、極端なパワー差を出せる程のマージンは取れそうにないのですが、それだけに挑戦のし甲斐はありそうです。

今回は序章という事で、次回はその辺りを探っていく事にします。

それでは今日はこの辺りで。




最近多いご質問に関して。。。

フルエキ・スリップオン (2)

WR'S(ダブルアールズ)マフラー開発担当です。

MT-25/YZF-R25用フルエキゾーストの開発ブログが遅れていて申し訳ございません。。。(大汗)
来週辺りから真面目に更新していく予定ですので何卒よろしくお願いします。

とはいえ、週前半はエクストリーム小川選手の車両のマフラー製作や本年度最後のJMCAマフラー会議(名古屋)が入っているので週後半からの更新となりそうですが。。。楽しみにされてる方々、スミマセンです。。。

先週末から本日まで個人的(といっても仕事です)なイベントが多かったのですが、今年も残すところ8週間。。。年内予定の仕事は年内のうちにしっかり終わらせたいと思います、ハイ。

さてこの最近ですが「現在使用してるスリップオンにそのままフルエキ用のエキパイを装着出来ますか?」というお問い合わせが多く、このMT-25/YZF-R25に関しても「これから開発するフルエキのエキパイを、既に購入したスリップオンに装着出来る様になりますか?」とのメールやお電話を多く頂いています。

結論から言えば、残念ながらフルエキゾーストのエキパイはスリップオンマフラーには使用出来ません。

確かにバージョンアップが可能ならお客様にとっても有益ではあるのですが、残念ながらノーマルエキパイとフルエキ用エキパイに互換性は全くございません。

これから造るMT-25/YZF-R25用フルエキも同じく残念ながら100%の確率で流用出来ません。

そもそもスリップオンとフルエキの開発自体の考え方が根本的に違うんですよね。

マフラーに関してのみスポットをあててお話しすると、エンジンの持つ性能を引き出すべく、その特性に影響する最大の要因がエキゾーストパイプ(エキパイ)の寸法です。

難しい話は置きますが、雑な言い方をすればエキパイでパワーカーブそのものが決まると言ってもいいかも知れません。

フルエキ・スリップオン (3)
このエキパイ部で性能ってほぼ決まってしまうんですよ。。。本当にね。。。

まぁ現在の、インジェクション仕様車になってからは厳しい環境基準値も相まって噴射するガソリン量がしっかりと制御されている為、マフラーのみの交換ではキャブレター仕様車の時代の様に大きく馬力が上がる事も少なくなっているのが現状ですが、スリップオンとフルエキの違いは下記の様な事になります。

スリップオンのメリットとしては、エキパイ部をノーマルそのままに交換が出来るタイプなのでフルエキよりも開発コストや使う材料もフルエキより少なくて済む事から、販売価格がフルエキよりもかなり抑えられる事もあり、リーズナブルな価格で販売されている事、またマフラーを交換する事でスタイルに変化を付けられるので、手軽にカスタム出来る事もスリップオンの魅力であります。

性能面においては、エキパイはノーマルを使用する事から、ノーマルの性能から大きく特性を変える事が出来ず、車種によってはノーマルと全く変わらない物もあったりしますが、純正のマフラー重量より軽く出来る事もあり、また取り回しの面で楽にもなる事から結果として運動性能が上がり、快適に走れる様になったりします。

スタイルに関しては当然ながら純正エキパイのレイアウトが決まっているので元のイメージから大幅な変更は難しかったりします。

一方フルエキゾーストはというと、エンジンから出てるエキゾーストパイプから全て交換するタイプなので、エキパイの寸法次第ではスリップオンとは全く違った特性が造れたりと、マフラー開発者次第ではありますが、明確なコンセプトがあればノーマルとは一味違う味付けも可能です。

また車体に対してのレイアウトの自由度も大きく、可能な限りビジュアルに拘った商品造りが出来たりします。

例えばNinja250用スリップオンと、フルエキを例にすると。。。

フルエキ・スリップオン (7)
こちらはスリップオンです。

フルエキ・スリップオン (4)
そしてこちらがフルエキゾーストです。

好みもあるかと思いますが、マフラーの長さや角度が大きく違うでしょ!?

フルエキ・スリップオン (6)
フルエキ・スリップオン (5)
上がスリップオンで下がフルエキです。

弊社の場合は車体レイアウトの事を一切考えず、ノーマルのベンチテストデータを元に徹底的にベンチテストを行い、「これだ!」と思える寸法(パイプ径)を確立してから、その寸法を忠実にレイアウトを行なっていきます。

各社それぞれ開発アプローチが違うと思いますが、先に車体レイアウトを優先すると、本当に必要なパイプ寸法でマフラーが造れなくなり、結果としてビジュアルはいいが、フルエキとしての性能や個性がないマフラーになってしまいます。

先にも書きましたが、インジェクションになりパワーが上がりにくくなったとはいえ、重要なエキパイ寸法を変更するのですから、レスポンスやフィーリングはもちろん、パワーカーブにもそれなりにしっかりと変化は現れます。

スリップオンに比べて高額なフルエキですから、そういう個性や手間を大事にしたいんですよね。

スリップオンが装着出来るエキパイにするって事は多くの場合、その個性や特徴を犠牲にするって事に直結するので、私の場合は「レイアウトなんて寸法が決定してから決める」って考えてフルエキを造っています。

過去にはフルエキを開発してたけど、思う様な結果が出なかった為に「商品化を断念する。」という様な事もありましたが(汗)、このMT-25/YZF-R25用フルエキゾーストは、そうならない様に頑張りたいと思っている次第です。

長々と書きましたが『スリップオンにフルエキ用のエキパイが流用出来ないのは、こういう事か!』とご理解頂ければ幸いです(笑)

スリップオンはスリップオンとしての魅力、そしてフルエキにはフルエキの魅力をしっかり出せる様に頑張りたいと思います。

それでは今日はこの辺りで。
-WR'S-サウンド
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