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2019CBR400R(2BL-NC56)マフラー開発日記

2BL-NC56 (1)

皆様こんにちは。
弊社としては今年最後となった新型CBR400R用スリップオンマフラーの開発日記を書きたいと思います。

まず初めに新型CBR400R(2BL-NC56)ですが、前モデル(2BL-NC47)を踏襲しつつも細部のディティールはもちろん、性能面でも進化しました。

スペックでは。。。

・ 前モデル(2BL-NC47) 34kw/9,500rpm 37N・m/7,500rpm
・ 新モデル(2BL-NC56) 34kw/9,000rpm 38N・m/7,500rpm

という事で新モデルは、同じ馬力ながら500rpm早く最高馬力に達し、トルクは同じ発生回転数で1N・m増えました。
エンジンベースは大きく変わりないところでのアップデートで、燃調マッピングの適正化や新しいデザインのマフラーも貢献していると思われます。

騒音値において(平成)29年度新規制が適用された車両となりますが、この新規制以降、どの車両に関してもノーマルマフラーに大きな変化が見受けられます。

その変化に関してですが、どの車両も近接騒音値が相対的に大きくなっているんですよね。
これは新規制が加速走行騒音に重点を置かれている事が要因ですが、結果として「近接騒音が大きい=抜けが良い」という、大雑把に括るとノーマルマフラー自体の性能も良くなっていると言え、また音質面でも一昔前のノーマルマフラーに比べてアフターマフラーに近い音質を思わす音質に変わりつつあります。

そんな事を頭の片隅に置きながら、まずは前モデル用スリップオンを装着し、ビジュアルも含めて最終仕様に向けて進めて行く事にしました。

ノーマル
まずはノーマルグラフから。
淀みなく低速域から高回転域まで非常にスムーズに伸びていく印象で音質自体もノーマルマフラーにありがちな金属音ではなく、なかなか耳障りの良い低音の効いた音質でバイク自体の気品みたいな物を感じさせてくれます。

2BL-NC56 (7)
そして前モデル用のスリップオンを装着。車体への干渉等は無いのですが。。。

2BL-NC56 (11)
とって付けた様な「カチ上げ感」が否めないところです。。。 肝心のデータはというと。。。

ノーマルvsSO
黒線がノーマルで赤線がスリップオンです。全く悪くは無いのですが、何故かピンと来ず、もしや?と思いノーマルに戻して再チェックする事にしました。その結果がコチラ。

ノーマルベスト
予想通り、ノーマルもあっさりパワーアップしました(笑)
数値的に弊社計測値になりますが、44.7psを9,000rpm付近で派生しており、カタログスペックが34kw=46psですから、かなり優秀なデータが取れました。
ノーマルvsSO2
で、再度比較してみると。。。やっぱ、こうなりますね。。。(笑)
低速~中速域にかけてはいいのですが、高速域ではノーマルと変わらないデータとなりました。

ここまでは想定範囲というか、良くある事ですのでマフラーレイアウトの変更と合わせて寸法的な部分を変えていく事にします。

2BL-NC56 (20)
最初に変更した事としてまずは寸法です。
見た目の変化が少ないかも知れませんが、まずは管長を短くしてみました。

ここが説明の難しいところですがノーマルより良いものの、高回転域での伸びが少し鈍ったと感じた事で管長を短くしてみましたが、これは毎回そうなるという事でなく(むしろ逆に伸ばす事も)、このバイクでアクセルを開けている時の感覚というか、長年ベンチテストしている勘というか、管長を短くする事で改善出来るのでは?と考えたからです。

447.jpg
その結果、前回よりもグラフ的には悪くなった様に感じますが、レスポンス感は良くて方向性として悪く無さそうだと感じました。
因みに同じタイミングでまたノーマルを計測しましたが、ピークパワーこそ同じだったものの、低速~中速域は線一本分良くなりました。比較グラフはそのグラフとの比較になります。

やはりというか、さすがノーマルマフラーも当然ながら思った以上に良い仕事をしている事が分かります。
ただ、褒めてばかりでは私の立場も無い事から(笑)、もう一工夫。。。今度はサイレンサー内部構造を変更です。

実はベンチテスト前にテストピースを数種類用意していましたが、やみくもに全て試すという事ではなく、ここはパワーグラフを見た上での作業となり、テストの結果、更に改良した内部構造を試す事にしました。

CBR400Rレイアウト (2)
CBR400Rレイアウト (8)

その間にもセンターパイプの管長変更と合わせてマフラーレイアウトを探っていきます。
この時点で最終レイアウトに関しては、車両をご提供頂いたオーナー様に決めてもらおうと、敢えて違うタイプのレイアウトを2種類製作しながらベンチテストを平行に作業を進めていきました。

ラウンドvsSS-OVAL
因みにサイレンサーの形状は違えど内部構造は一緒である事もあり、ラウンドタイプ、SS-OVALタイプ共にほぼ同じパワーカーブとなっています。
実は最初、ラウンドタイプには音質的にワイルドな音質を求めて内部構造をそれぞれ分けて進めましたが、音質的にあまりにもワイルド過ぎて濁りのある荒々しい音質に偏った為、CBR400Rのイメージ的に乖離がある事から、最終的にはSS-OVALと同じ構造の物でJMCA認証試験を受験しております。

で、肝心な仕様変更をした結果がコチラ。
450.jpg
高回転域でもパンチが効いてきましたが、何か思った様にいかず、当初は無いと思っていた長い管長のセンターパイプを試す事にしてみました。しかしながらやはりというか、管長の長い方も長所はあるものの、答えはここに無さそうです。。。

ここで、管長の変化でなくもしや?と思ったパイプワークの形状に少し変更を加える事にしました。
その結果がコチラです。

最終プロトタイプ  (1)
もう、一般の方からすれば「どんだけ変わってるの??」的なグラフに見えますが、トルク曲線(点線)を見比べて頂けると分かり易いかも知れませんね。
低速域から高速域まで非常にスムーズな伸びと高回転域での力強さも兼ね備えた感じで、これを最終プロトタイプとしてJMCA認証試験に受験・合格して参りました。

マフラーレイアウトもSS-OVALは音量的な余裕がある事に加え、軽量化の目的もあってショートタイプに変更しました。
SB1440JM (1)
SK1440JM (2)
またマフラーレイアウトは、オーナー様のご意見も踏まえて最終仕様はこんな感じのレイアウトにしました。

パワーグラフの話に戻すと、レスポンス感と共に時間軸で見た時に吹け上がる時間も早く、あくまでも参考程度になりますが、グラフではこんな感じになっています。

最終プロトタイプ  (2)
アクセルの開けるタイミングやその時の回転数も当然影響するのですが、点線は時間軸で縦線は時間(秒)を表しますが、スリップオンでのパワーカーブは、ノーマルとほぼ同じパワーカーブの場合においても加速到達する時間は平均して到達時間が早かったので、この点はパワーグラフでは読み取れない能力を示す事になるかと思います。

元々アクセルの反応スピードが、前モデルよりノーマルでも良くなっていますが、スリップオンに変更する事によって計量化は勿論の事、どの回転域でもレスポンスの良さを感じて頂けるのではないかと思います。

その重量に関して言えば、ノーマルに対してどのスリップオンでもほぼ50%の軽量化に成功していますので車体面の貢献にもお役に立てるマフラーに完成したと思います。

音量ですが、ノーマル車両は車体にも近接で90dBと貼られていますが、弊社測定での実測値は86dB~87dBでした。

BC1440JM (1)
弊社スリップオンはラウンドタイプが  近接 89dB  加速 78dBB

SB1440JM (2)
SS-OVALスリップオンが  近接 90dB 加速 79dB

と、低音域の効いたジェントルなサウンドに味付けしています。

CBR400Rが発売されて、スリップオンをリリースするまでお時間を頂きましたが、信号待ち等のアイドリング時には存在感のある低音を、そしてツーリングを含めたタウンユース使用時にはライダーを疲れさせない心地の良いジェントルサウンドを堪能して頂けると思います。

以上、CBR400R用スリップオン開発日記でした。

最後になりましたが、マフラー開発にご協力を頂いたオーナーのN様、本当にありがとうございました。

それでは宜しくお願い致します。

SK1440JM (3)




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Author:ダブルアールズ
WR'S(ダブルアールズ)マフラーの開発状況などを掲載。

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