KTM 200 DUKE マフラー開発日記

KTM 200DUKE マフラー開発 (6)

WR'S(ダブルアールズ)マフラー開発担当です。

今日はいい天気ですね。
日本各地でイベントやレースが開催されていますが、今日は全国的に良いお天気なのでお休みの人にとってはいい週末となりますね。

最近では珍しく週末から来週一杯までお天気が良さそうなので、バイクで過ごすには絶好のゴールデンウィークとなりそうですが、ゴールデンウィーク中の弊社の営業日は暦通りで祝日を除く平日は全て営業しておりますので宜しくお願い致します。

さて先のブログでもお伝えしましたが、今週行なわれたJMCA加速走行試験にラウンド(真円)タイプ、チタンオーバルタイプと2種類のマフラーを受験し、合格して参りました。

マフラーの仕様は先に合格していた125DUKE用スリップオンと同仕様となります。

200DUKEと125DUKEのマフラーはエキパイの太さは違うものの、パイプ長は同じで、サイレンサー部(膨張室)に至っては内部構造まで同寸、同構造になっている事からスリップオンにした場合においても同じ物が使えるのでは?という事でテストを開始しました。

125DUKEのマフラー開発の際もいろんな事をテストしましたが、大きな妥協をしてまで仕様を共通にするつもりは無く、音量や音質も含めて乗ってみて「これならOK」と思える事が大前提です。

まずは車体に対しての確認もしながら装着完了です。

でもって早速、ベンチテストを開始!って言いたい所ですが、気になる音量面はどうでしょうか?
キーをONにしてエンジンを掛けてみると.。。。

シングルエンジンらしいパルス音で元気のいい心地良い音が聞こえて来ます。
うん、これはいい!(ちょっと自画自賛ですが 笑)

音量的にも全然OKで、ノーマルの時に違和感でしかなかった金属音ももちろん無くなり、かなりいい感じです。
エンジンが温まり、アイドリングが安定すると何とも200DUKEらしい元気の良い音でアクセルを開けると、レスポンスの良さに加えてシングルらしい歯切れのあるサウンドが聞こえて来ます。

それではベンチテストを開始です。
回っていく感じは吹け上がりも早く、体感的にも好感触。 で、出たデータはこちら。

最終プロト 200DUKE (2)
黒色がノーマルで赤色がスリップオンマフラーです。

??... いいデータではありますが、感覚とは違い、思ったよりはピークは変わらない感じです。
でも、明らかにいいんですよね。

って事で、早速街中で試走テストです。

200DUKE マフラー開発ブログ (2)
試走テストはラウンドタイプで。 ※ ちなみにラウンドサイレンサーでのベンチテストもグラフ的には全く同じです。

乗ってみるとやっぱり、めっちゃいいんですよね。
音的には走行中の金属音がシングルらしいエンジン音に変わり、このバイクのウィークポイントでもあるアクセルを戻した時の不自然なエンジンブレーキの効き方はほぼ解消されており、シングル独特のエンブレは少し感じるものの、マイルドな感じでコントロールし易い特性になっています。

それより何よりスピードの乗りがかなり良く、その点はグラフが示した通りの特性となっています。

試走テストを終え、ほぼ満足な仕上がりではあるものの、開発する立場の者としてこのまま終わる事はせず、再びシャーシダイナモに載せて再検証を行ないました。

寸法的なものはOKですが、試してみたい事が。

触媒位置の変更です。
この位置によってピークパワー付近の特性をもしかしたら変えれるかも?という事を試走テストの帰りに思い付いたので、その確認と共に念の為にパイプ長も変更を加えてみました。

パイプ長の変更に関しては、良くも悪くも全くデータが変わらず、この点の検証はOKです。
※ そもそも全く変わらないという事自体は、少々疑問ですが。。。ピーク付近の燃調(マッピング)はこれがギリギリ一杯なのか?

具体的な位置に関しては触れませんが、大きく触媒位置を変える事で果たして良くなるのか? それがこちら。

最終プロトVS触媒位置変更    200DUKE
赤線が触媒位置を変更したタイプで青線が元のスリップオンであるプロト1号(最終プロト)のスリップオンです。

ピークパワーこそプロト1号と変わりませんが、低回転から8,000回転付近までトルク及びパワーが落ちましたね。

125DUKEの時に時間をかけただけあってプロト1号はなかなか優秀です。
仕様変更せずに行けた事に正直、ホッとしましたが(笑)

ベンチテストをした結果、見えてきた事は、どうやらピーク付近の燃調を考えるにここら辺が限界の様です。
このまま仕様決定と行きたい所でしたが、ついでにもう一つ試してみる事にしました。

メールで質問もありましたが「触媒を取ったらパワーは上がりますか?」との質問でしたが、たった今書いた事が本当だとすると、燃調を考えると変わらない筈ですが、さてどうでしょうか?

私自身も違う寸法で試作を続けるのかの判断をする為に触媒レス(無し)のセンターパイプを製作して再々テストです。

200DUKE マフラー開発ブログ (1)

その結果がこちら。

最終プロトVS 触媒無し   200DUKE
赤線が触媒無しタイプで青線がプロト1号です。

今度はピークパワーまでプロト1号より下がる事となりました。ちなみにノーマルとの比較がこちら。

ノーマル対触媒無し   200DUKE
赤線が触媒無しタイプで黒線がノーマルです。

触媒を外してパワーが上がると思っている方々は多いと思いますが、最近の厳しい環境(燃調)の中では、どのバイクにおいても大体こんな感じのデータになりますね。
(もちろん、マッピングをすると良くなる方向に行くと思いますが、何人が出来るかの問題があるかと思います)

ちなみに私自身が触媒を外してテストしたかった理由は、ある部分のパイプ径の適正を見る為のものでしたが、このテストでほぼ答えが決まりました。

ねっ、予想以上に余分な事もテストしてるでしょ!(笑)

私の場合、開発が仕事ですから、少しでも良いデータが出た場合は、仕様を共通にするのはやめて別々の仕様でラインナップするつもりで開発をしてるので、最低限これ位は当たり前です。

さて、もう一度プロト1号とノーマルの比較グラフを今度は違った角度から見てみましょう。

最終プロト 200DUKE (1)
同じく黒線がノーマルで赤線がプロト1号ですが、グラフの横軸が回転数から速度に、縦軸が馬力から秒(到達時間)になっています。

縦軸(点線)ですが、速度に対して何秒かかっているかを確認出来るのですが、例えば95km/hに到達した時にかかった時間(秒)はノーマル(黒線)が8秒強に対してプロト1号(赤線)は7.5秒弱で到達、逆にプロト1号は8秒弱で100km/hに達している事が確認出来ます。

心地良いレスポンス感に加えて、加速においてもノーマルよりスピードの乗りが良くなっている事がこのグラフでも実証されています。

この結果を踏まえてJM,CA加速走行試験に臨んだ訳です。

グラフでの証明というよりも実際に乗ってみて是非体感して欲しいと思う製品となりましたので、リリースまで楽しみにお待ち下さいね!

動画もUPしたいと思いますが、またご用意出来たらこの200DUKEマフラー開発ブログでご報告致しますので今しばらくお待ち下さいね!

詳細についても後日のブログでご報告します。



今、生産部隊の職人さん達も作業を終えたみたいなので、私も今日はこの辺で終わりにして帰りたいと思います。
(私は明日も仕事ですので。。。)

それではこの辺で!
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KTM 200DUKE マフラー開発日記

KTM 200DUKE マフラー開発 (1)

WR'S(ダブルアールズ)マフラー開発担当です。

今年はマフラーの出荷が前年と比べて大変好調で、私が相変わらず出張で飛び回っている間も製作側では工場をフル稼働してマフラーの製作を行なっており、去年の消費税前の駆け込み需要以上の動きとなっている事は、嬉しい誤算というか、少々驚いています。

これもひとえに皆様からご支持頂いたおかげで、私もマフラー製作ラインをもっと忙しくする為に新たなマフラー開発をこなして行かなくてはいけません。

私自身、バタバタと会社の出入りが多いですが、マフラー開発も一応、順調(?)にこなしています。

現在、来週の加速走行試験(4/22)に間に合わすべく既にKTM 200DUKE用スリップオンマフラーに取り掛かっています。

車両は某雑誌社の○崎さん(ありがとうございます)の奥様号をお借りしてのマフラー開発となりますが、この200DUKE、アニメの「ばくおん」バージョンです。

KTM 200DUKE マフラー開発 (2)
KTM 200DUKE マフラー開発 (3)
KTM 200DUKE マフラー開発 (4)

個人的にはスタジオジブリ以外のアニメは全く見ないので、あまりよく分からないのですが、去年同じKTM 1190 RC8Rで鈴鹿8時間耐久レースを戦った浜口さんトコがこの「ばくおん」とコラボで参戦してましたね。

2014年 8時間耐久レース (4)
※ 前のRC8Rが我がチームの車両で後ろのRC8Rが「ばくおん」浜口レーシングのRC8Rですが写真では分かり難いですね(笑)

ちなみにこの「ばくおん」仕様200DUKEですが、ノーマルの状態で試乗チェックを兼ねて走って来ましたが、昼間だと信号待ちの時に注目を集め過ぎてオッサンの私としてはとても恥ずかしかったです(笑)

大きな交差点で信号待ちの時、女子高生に写メ撮られた時点で気がメゲて会社に戻りました(笑)
結局、夜間走行でフィーリング等を確かめて来ましたが、特性的には非常に125DUKEと似ており、パワーはもちろん出てるのですが、あまりにもフィーリングが似てるので驚きました。

エンジンを掛けると125DUKEより圧縮比は低く抑えられているもののシングル独特のパルス感は強烈で、音質的にはマフラー膨張室内での金属音が大きいのが少し気になります。

走り出すと、26馬力もあるパワーが軽量な車体と相まって200ccとは思えない俊敏な走りが味わえますね。

125DDUKE並みの重量(200DUKEは半乾燥重量が129.5kg)に対してこの馬力ですからな250ccに負けない以上のパンチ力があり、乗っていて大変楽しいバイクです。

125DUKE同様、スタートダッシュから軽快で鋭い加速をしてくれますが、200DUKEの場合、回転が上がるに合わせてトルク感も上がっていく感じで、非常にスピード乗りが良く、この点においても250ccクラスと遜色の無い感じです。

ただし、250ccと比べるとトルク自体は小さいので、イメージとしてはやはり回して走るタイプのバイクだと言えます。

後、気になったのが、サイレンサー(膨張室)の内部構造上の問題で、低いギヤでは特に、高いギヤでもエンジンブレーキの利き方にかなりクセがあり、この点は乗っていて違和感というか、個人的には不快な部分でもありました。

排気量の小さい125DUKEにも言える事でしたが、原因はサイレンサー(膨張室)の構造的な問題だと思います。

ちなみにエキパイは径が違うものの、サイレンサー(膨張室)は125ccと同形状で内部構造は全くの同寸法となっています。

今回のスリップオンは125DUKEでJMCA試験を合格して来た物と全く同じ形状・同寸法で行く予定にしてるのは上記理由からです。

海外メーカーも含めて「125/200DUKE用マフラー」として売られている物は分かりますが、ハッキリ言いますが粗悪なマフラー等の場合は「125/200/390DUKE専用マフラー」として売られている物まであったりします。
※ まぁ、この手のマフラーはハッキリ言って違法マフラーですけどね。

構造上、125と200の場合は、サイレンサー(膨張室)が同構造なのでそのままいける可能性は十二分にありますが、日本の厳しい排ガス試験(WMTCモード)や加速走行試験等を考えても、390に装着出来るからといって390DUKEまで一括りにしてしまうのは乱暴過ぎますね。

ちなみに余談ですが、そんなマフラーを390DUKEで使用すると1000ccクラスのレース車検でも通らない爆音になってしまいます、ハイ。(あくまで参考の為に確認してみました。)

話を戻しますが、ノーマルのベンチテストを行い、125DUKE用に製作したスリップオンマフラーを装着してのベンチテストはまた次回に書きたいと思いますので宜しくお願い致します。

それでは今日はこの辺で。

KTM 200DUKE マフラー開発 (6)
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