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新型YZF-R25用フルエキゾースト 開発日記

YZF-R25フルエキ (23)
皆様こんにちは。

新型YZF-R25用フルエキゾーストの開発日記です。

最近はアメブロの「マフラー開発 日々の出来事」の方に開発経緯を細かく書いていますので、コチラでは「開発マトメ」的な更新になりますが、宜しければお付き合い下さい。

新型式(2BK-RG43J)車両となってから、それまでの旧型式(JBK-RG10J)よりパワーも1馬力低くなったのですが、新型式車両は車なんかで言うところのドライバリティが、格段に向上した乗り心地になった印象を受けました。

新型vs旧型
赤線が新型式で青線が旧型式となりますが、あくまでも弊社の車両にて比較したデータになりますが、最高馬力は1馬力以上上がっている感じですが、注目すべきは7,000rpmまでの常用域で旧型式よりも馬力が出ており、実際に乗ってみると明らかにスムーズでそして速く、高速道路でも乗ってみましたが、繋がりが良い事から高速域でもカタログスペックや弊社のパワーグラフの様な差は感じられませんでした。

これは倒立サスになった車体バランスにも関係すると思いますが、「こんなに気持ち良く走れる車体だったかな?」という位に走行フィーリングが良くて個人的にはビギナーから上級者までの全ての方がその使用用途で楽しめるバイク、それが新型YZF-R25の特徴だと思います。

さてこの新型YZF-R25をどう味付けしていくかという事ですが、スリップオンの時は、ノーマル時の不必要と感じるアクセルを戻した時の低速域のエンジンブレーキの利きをマイルドにする事、レスポンス感の向上やメリハリ感にスポットを当てて開発しましたが、これはあくまでもノーマルのエキパイを使うスリップオンに対してのアプローチです。

フルエキの場合も上記の要素も踏まえて造るのですが、やはりエキパイから全て造り直すのですからスリップオンとは違うコンセプトが必要になってきます。
という事で、フルエキのコンセプトとして高回転域を更に改善を目指し、新型YZF-R25の本来のパワー感を追求する事にしました。

あくまでも弊社ベンチテストでの比較ですが、旧型式車両のスペックを全域で上回れる様なスペックを目標にしてみました。

また音質に関してもスリップオンではノーマルのエンジン下にあるタイコ部分で、ある程度消音が終わっており、ノーマルの音質プラスα程度と比較的に大人しい音質でしたが、フルエキではあえてワイルドな音量・音質を求め、JMCA認証マフラーではありますが、JP250の様なレーシーな音質を求める事にしました。

YZF-R25フルエキ (9)
まずは旧型式車両用に開発したマフラーをベンチテストし、新型YZF-R25用のデータを取っていきます。

詳細な経過ブログの方はアメブロを参照して頂くとして結果としては思った特性を出し切れませんでした。

ベンチテストの結果、エキパイ長を中心にサイレンサー内部構造を変更していく事にしました。

YZF-R25フルエキ (11)
今回のリリースはラウンドタイプとSS-OVALでしたが、開発段階ではそれぞれのサイレンサーで少しずつ仕様を変えてのテストです。

プロト3
開発スタート直後はこんなグラフで悪くはないのですが、個人的には面白味の無いグラフからスタートです(笑)

プロト3a
プロト4
ベースのラインは大きく変わりませんが、管長を整えながらパワーカーブも変化していきます。

この時点で音質こそワイルドな感じになってきましたが、音量自体はスリップオンとほぼ同じの91dB位と、ワイルド感という意味においてはまだまだな感じです。(レスポンスは既に別物になっていましたが)

YZF-R25フルエキ (25)
YZF-R25フルエキ (8)
更に細かく管長とインナーパイプ径を変更しながら特性を煮詰めると同時に、触媒の位置も変更して音量・音質や特性を探っていきます。

触媒ですが入っている位置で特性はもちろん、音質にも影響を及ぼす事は余り知られていませんが重要な要素となります。

またYZF-R25の場合、ノーマルマフラーであればエンジン下のタイコがある為、あまり気が付きにくいですが結構なアフターファイヤーが起こっています。
マフラーを開発する際も音質・音量そして特性はもちろんですが、触媒の位置を決定する時にその辺りも考慮して配置していく事にしています。

そして最終的にはこんなグラフになりました。
プロト5R
こちらがラウンドタイプの最終型です。
JMCA認証試験では近接:92dB 加速:79dBで合格して来ました。

プロト5S
そしてコチラがSS-OVALの最終型になります。
JMCA認証試験では近接:94dB 加速:81dBでこちらも合格して来ました。

パワーカーブもさる事ながら、乗ったフィーリングはかなり気持ちの良い吹け上がりで、高速道路等では高回転まで気持ちの良い加速感を楽しんで頂けるのではないかと思います。

そして旧型式YZF-R25との比較グラフがコチラです。

プロト5vs旧型ノーマル
赤線が新型YZF-R25用マフラーで、黒線が旧型式YZF-R25です。
低速域での新型YZF-R25の特性を活かしつつ、高速域においても満足のいく仕上がりとなりました。

スリップオンに比べて音量も大きく、かなりワイルドな音質でかなりレーシーな音質に変貌しています。
「音量の大きいのはちょっと...」という方にはハッキリ言ってお勧め出来ません。
もちろんJMCA認証マフラーですが、音の質がスリップオンと明らかに異なるのでジェントルな音質をお求めになるならスリップオンをお勧め致します。

フルエキは(エンジンに問題ない程度の)アフターファイヤーの音も出ますし、音質自体もレーシーな味付けになっていますので、パワー感やワイルド感、そしてマフラーレイアウトも新型YZF-R25のフォルムを更に引き立ててくれる様にレイアウトしており、それらを求める方向きの仕様となっていますので、ご自信のバイクライフに合わせたマフラーを選択して頂ければと考えています。

LS2255JM.jpg
LB2255JM (2)

詳細情報が気になる方はアメブロの方で確認頂ければと思いますが、スリップオンそしてフルエキと、それぞれキャラクターをしっかりと差別化が出来たと思いますし、苦労した面も多々ありましたが色んな意味で印象に残る開発となりました。

という事で皆様、長々と拝読頂きありがとうございました。

『新型YZF-R25用フルエキゾースト 開発日記』でした。
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新型YZF-R25/R3用 SS-OVALスリップオン 開発日記 - 完結編 -

新型yzf-r25 (14)
皆様こんにちは。

昨日の続きから書いてみたいと思います。

まずは、旧型式YZF-R25用に開発したスリップオンを新型YZF-R25に装着してベンチテストをした結果がコチラ。

ノーマルvsスリップオン
旧型式YZF-R25の時よりもパワーカーブの差は出ませんでしたが、それでも上出来なグラフだと思います。
低速域ではノーマルを下回る事無く、高速域にかけてはしっかりパワーアップし、ピークでは約1馬力程、パワーアップしました。

何より乗っていてレスポンス感が良く、ノーマル時の「必要の無いエンジンブレーキ」の効きもマイルドで乗り易くなっているのが分かります。

最近、初心者の方がよく勘違いされている事があるのですが、低速域でアクセルを戻すとエンジンブレーキが効き、またアクセルを開けるとギクシャク感の中で加速していくのですが、この変なギクシャク感の中で起こる加速が「トルクが有る」、そしてマフラーを換えて低速域の変なエンジンブレーキがスムーズになり、ス~っと加速していく事を、「トルクが薄くなっている」みたいな感覚で話す方が結構いらっしゃいます。

最近のバイクは排ガス規制が厳しく、排ガス検査の際に測定使用する低回転域の燃調(ガソリンの噴射量)が薄くなっている事もあって、低速域でアクセルを戻すと必要以上のエンジンブレーキが効く傾向にあり、長年バイクに乗っている人達からすると「違和感」でしか無いのですが、バイクの経験が浅いと、今のバイクしか乗っていない事もあってこれが「普通」な為、こんな勘違いをされているのだろうと、お話を聞いているとそんな風に思います。

話を戻しますが、低速域からかなりスムーズに加速してくれるのですが、更なるメリハリ感というか、スパイス的な物が欲しくSS-OVALスリップオンではそこを目指すべく、内部構造を少しだけ変更する事にしました。

具体的には。。。

YZF-R25 WRSスリップオン (11)
YZF-R25 WRSスリップオン (4)
上がS.O.Vショートオーバルで下がラウンドタイプの出口ですが、YZF-R25/R3の場合、エンジン下のタイコ部分まででほぼ消音が終わっている為、こんな大口径な出口で近接・加速の規制値にしっかり収まってくれます。
スリップオンのピークパワー付近の特性も、大口径の出口から恩恵を受けていると言えるでしょう。

SS-OVALではこの部分を少し変更しました。

新型yzf-r25 (19)
新型yzf-r25 (24)
パンチング径の見直しと共に出口のインナー径を数タイプ造り、ベンチテストと実走でバランスを見ていく事にしました。

最初のベンチテストの結果がコチラ。

plot1.jpg
悪くないグラフが出ましたが、フィーリング的には何も変わりません(笑)

こうした作業を繰り返します。。。

新型yzf-r25 (23)
新型yzf-r25 (20)

最終仕様ではこうなりました。

最終plot yzf-r25
試乗でもレスポンス、そしてメリハリ感もしっかり出て、この仕様でJMCA認証試験を受ける事に。

JMCA認証試験では 「近接・90dB  加速・74dB」という結果で合格となりました。

そして今月はYZF-R3を受験です。

YZF-R3 スリップオン (5)
YZF-R3 スリップオン (4)
R25で試験に合格したマフラーに加え、念の為に別の仕様でもベンチテストしましたが、結果はR25で試験合格した仕様がベストだと確認出来ました。

その結果がコチラ。

R3 SS-OVAL
ピークでは2馬力近く上がり、レスポンスやフィーリングも良く、これで試験に臨みました。

結果は 「近接・90dB 加速・79dB」で合格して来ました。

因みに既存のスリップオンでのデータがコチラ。

R3 各種サイレンサー
3タイプとも線が重なる位に同じ結果に(笑)まぁ、この3タイプは長さの違いはあれど構造的には同じなので結果としてこうなりましたが、ノーマルをしっかり上回っており、もちろん新型YZF-R3にもラインナップです。

既存のラインナップに頼らす、新型YZF-R25/R3用としてイチから開発したSS-OVALスリップオン、満足のいく結果となりました。

リリースに関しては近くアメブロ「ダブルアールズマフラー開発 日々の出来事」の方でお知らせしたいと思いますので宜しくお願い致します。

次回は新型YZF-R25用フルエキゾーストの開発日記です。

それでは。

SB2255JM R3 (3)
SK2250JM (3)

新型YZF-R25/R3用 SS-OVALスリップオン 開発日記 - 序章 -

SB2250JM (3)
皆様こんにちは。

さて新型YZF-R25/R3用SS-OVALスリップオンの開発日記の更新となりますが、ここのところアメブロの「マフラー開発 日々の出来事。」の方で開発過程を更新している事もあり、コチラの方は「備忘録」的なブログになろうとしていますが、それもアリかな?とも思いますので、しっかり『備忘録』として残していきたいと思います。

新型vs旧型
まずは新・旧のYZF-R25の対比グラフです。
赤線が新型YZF-R25で青線が旧型YZF-R25となります。

新型はカタログスペックで1ps低くなっていますが、グラフでもその辺りが顕著に現れ、また同時に低回転域の特性では新型に分があるグラフとなりました。

実際に乗ってみると旧型の記憶が定かに無いのすが、「YZF-R25って、こんなに加速が良かったかな?」と思う位にスピード乗りが良く、またポジショニングや倒立になったフロントフォークが絶妙な剛性感で、かなり心地良く走れるのが印象的でした。

馬力こそ劣りますが、タウンユースにおいては間違いなく進化しており、雑誌の記事を見る限りサーキットユースでも「新型」にふさわしい進化が確認出来ますね。

ただ、ベンチを回していると上が重いんですよね。。。10,000rpm付近から加速感がはっきりと鈍る感じで、「タウンユースで、そんな回転は使わない」という声が聞こえて来そうですが、私達の仕事は普段使わない回転域も確認した上でマフラー開発を行っていますので、私的には非常に重要な部分であります。

仮に弊社製品を検討頂いているとして、「普段使わない回転域ならパワーダウンさせてもいい」という事にはならない筈なので、そこも含めて毎回造っています。

ただ今回の開発はスリップオンで、YZF-R25の場合、エンジン下にあるタイコの部分迄で消音やパワーフィールが決まっている事も事実としてあります。

「消音やパワーフィールが決まっている」とはいえ、見様見真似で造ったら確実にパワーはダウンします。

YZF-R25に関しては、ノーマルの特性を把握しながらどういう方向に乗り味を持っていのくか?という事も重要な部分で、音質も含めて結構やれる事が多いので、簡単に見えるかも知れませんが(笑)、外してはいけない重要ポイントを見極める事も必要です。


開発の前に、旧型用に開発したスリップオンの検証作業から入りました。

新型yzf-r25 (21)
写真はラウンドタイプですが、S.O.Vやチタンオーバルも計測していきます。

実はこの作業は去年の2018年型YZF-R25で作業を終了しています。
2018年型YZF-R25はスタイルこそ新型YZF-R25とは違いますが、エンジン型式及び車両型式は新型YZF-R25と同じで、昨年にJMCA認証試験に行く際にベンチテストで各種計測し、問題もなかった事からJMCA認証試験を受験・合格して来ており、今回も万全を期してチェックを行いました。

ダイナモテストは当然問題なく、この時点でSS-OVALスリップオンより一足早く追加適合申請を終えてラインナップとなりました。

弊社はミドルクラスを中心にラインナップを揃えていますが、だから尚の事ミドルクラスのバイクは自信を持ってオススメ出来る様に万全を尽くす、それがミドルクラスの中でライバルと向き合う事が出来る唯一の方法と思っています。

あまり書いても自画自賛になってしまいますので(笑)、話を戻します。

2015年にYZF-R25が登場した時、そのパワーやスタイルに衝撃を受けました。
その時も当然ベストを尽くして開発したつもりではありましたが、日々勉強というか、その後色んな車種を開発していく過程で新たな発見が生まれたりします。

今回の新型は厳しい環境基準の中、単純にパワーが下がっただけでなく、エンジンにおいてもしっかり進化を遂げています。
例えば、ピストンも形状が変わっていますし、燃焼室の形状も変わっています。
タウンユースにおいては特に問題は無いですが、高回転域を回し続けるレースシーンにおいてネックになっていたカムシャフトも更に信頼性が高くなったりと、エンジン内部においても進化しています。

上記の通り、旧型YZF-R25用に開発した既存のスリップオンもベンチテストでは力強いパワーカーブを描いてくれましたが、今回SS-OVALスリップオンを開発するに当たって、ただラインナップを増やすのではなく、「スパイス」の効いたスリップオンに仕上げたいとの思いで開発に入りました。

ノーマルマフラーで街中を走らせていても思ったのですが、R3とは違いR25はレスポンス感が弱い傾向にあるので、フルエキの様に劇的に変える事は出来ませんが、スリップオンでも出来得る事はある筈なのでそこに取り組んでみる事にしました。

こうやって文字にしてみると、かなり何かが出来そうに見えてきますが(笑)、あくまでもスリップオンという中で出来得る事であり、劇的な事は難しいのもホンネです。
頑張って出来たと思っても、ユーザーには伝わり難い部分でもあったりしますが、そんな目標を持ってスタートしました。

本日はこの辺りで続きはまた明日です。

それでは。

新型yzf-r25 (15)


GSX-S750 SS-OVALスリップオン開発日記

SB3720JM (4)
皆様こんにちは。

本日、お客様からお電話がありまして「GSX-S750スリップオンの開発ブログの更新はしないのですか?」と聞かれ、確認してみると、確か2月前半にブログを更新したつもりでしたが。。。すみません!確かに更新したつもりでしたが。。。何らかの理由で「下書き保存」のままになっている事を今まで気が付いていませんでした。

お電話のお客様は「一応アメブロの方で確認したので」と気を使って頂きましたが、書きます!。。。いや、書かせて頂きます。

せっかくなのでその時書いたブログのアップデート版(?)で、書き直したいと思います。(アメブロとも内容が被りますが。。。)

GSX-S750 (1)

GSX-S750の開発時、GSR750のマフラーがそのまま流用出来るという事を予め確認していた事もあって、馬力自体がGSR750よりGSX-S750の方が6ps程高い事、ピーク発生回転数が500rpm高い10,500rpmに上がっており、新加速基準に合わせてマフラーの仕様もGSX-S750の方が、いわゆる「抜けのいいマフラー」になっている事も確認した上で「GSR750用のスリップオンを少しモディファイすればいけそう」と、そんな感じのスタートでした。

因みにGSX-S750の純正マフラーでの近接騒音値は「90dB」という事で、音量は弊社のGSR750用スリップオンが「91dB」ですから音質こそ違えど、音量的にはほぼ同じ位です。

GSR750の場合、純正マフラーにバタフライが仕込まれており、加速走行試験の時もこれが大きく役立ち、弊社のGSR750用スリップオンは「近接:91dB 加速:74dB」という事で難なく合格したのですが、新加速走行騒音規制のGSX-S750は、このバタフライが付いていない事でスリップオンにした場合に加速走行騒音は結構難しくなるのかな?という思いでまずはテストを開始しました。

まずはGSR750用スリップオンをベンチテスト。
その結果がコチラ。

GSX-S750 パワーグラフ (1)
赤線がGSR750用スリップオンで黒線がノーマルです。。。この時は正直言ってかなりの衝撃を受けました。。。(笑)

「どれだけ良くなるか」という事しか考えていませんでしたので、試験までの残された日と現状を考えるに、間違いなく間に合わないかも?との思いで思考回路がフリーズしてしまいました(笑)

気を取り直して。。。といいたいのですが、少し頭の整理が出来ていないまま作業を開始、サイレンサーも今回採用するSS-OVALサイレンサーに変更し、当初考えていた仕様を更に変更してベンチテストに挑みます。

その結果がコチラ。

GSX-S750 パワーグラフ (2)
ノーマルとほぼ同等で、ピークパワーに関しては負けています。。。

音量はノーマル90dBに対して93~94dB、何をしたのかというと頭の整理が付かないまま考えたのは「もっとインナー径を太くしなきゃ」という事でインナー径をアップしました。

新基準の近接騒音値は、上限94dBという基準がなく、厳しい新加速走行騒音値をクリアした時に発生する車種ごとの近接騒音値が基準となり、GSX-S750の場合はその純正数値が90dBとなり、これに経年変化を考慮したプラス5dB迄が近接騒音値の上限となります。

ちょっと難しく書き過ぎましたが、簡単にいうとGSX-S750の場合は95dBが騒音上限値となります。

なのでこのプロトタイプのスリップオンで言えば、近接騒音値にはまだ余裕を残している事になります。
しかしながら、加速走行騒音値も当然大きくなり、現状のこのスリップオンでは加速騒音値がクリア出来ません。。。

パワーは上がっていないわ、加速音量は大きいわで。。。(笑)

笑っている場合じゃないのですが、試験を間近に控えたこのタイミング、そして少々パニクったままの頭脳からは短期間で良い答えを導く事が出来そうにありません。。。

そんな中、車両を手配し、この日マフラー開発作業を見守ってくれていた㈱ダックスコーポレーションの浜ちゃん、岩もっさんが「ギリギリまで頑張ってくれていいですよ!」と、気遣って頂いた事もあり、まずは加速騒音を抑えるべくインナーパイプを変更していく事に。。。

何度か試したあとに出たグラフがコチラ。

GSX-S750 パワーグラフ (3)
何をやっても思う様に動かなかったパワーグラフがようやく動き出して、少々ではありますがノーマルに比べて力強いパワーカーブを描きはじめました。

本当に少々しか変化は出ていませんが、それまで全く動かなかったグラフが動いた事で頭も冷静さを取り戻して来ました。

GSX-S750 (2)

ここに来てこのバイクの特性というか、方向性がかなり冷静に判断出来る様になったところで、最終仕様になるであろう、インナーパイプを選定し、その仕様でベンチテストです。

その結果、出たグラフがコチラ。

GSX-S750 パワーグラフ (4)
来ましたね。

浜ちゃんと岩もっさんにお願いして、確認の為にもう一度トライ。
当然ですが、グラフは同じグラフを描いて最終仕様が決定、この仕様でJMCA認証試験に合格して参りました。

製品データは以下の通りです。

(製品データ)

□ 近接騒音値      91dB  
□ 加速走行騒音値   82dB
□ マフラー重量     2.3kg(備品含む)  ※ ノーマルマフラー重量 4.6kg 

音量こそノーマルより1dB大きい数値となりましたが、直4サウンドを堪能頂ける音質に仕上がっております。

結果として言える事は、最初のデータが酷すぎて(笑)、冷静さを失いインナー径を更にアップしていった訳ですが、レスポンス感が悪くなる一方で、それに加えてパワーカーブもノーマルをなかなか上回れないといった悪い流れになっていましたが、音量を調整していく過程で求めていたパワーグラフに近くなり、レスポンス感アップとともに最初のインナー径から大きく変更した事でその答えが見つかったと思います。

マフラー重量もノーマルの半分となり、取り回しの際にも貢献してくれると思いますし、音質的も上手くまとまったのではないかと思います。

アメブロの方でお伝えしている通り、6/28リリースと正式に決まりましたのでGSX-S750オーナーの方々、ご検討頂ければ幸いです。

それでは宜しくお願い致します。

GSX-S750スリップオン (3)

SV650X SS-OVALスリップオン 開発日記 完結編

sb650jm (5)

皆様、こんにちは。

良いゴールデンウィークをお過ごしでしょうか?

さて時間が少し空いてしまいましたが、開発日記の完結編を更新したいと思います。

試験前日に最終チェックを行い、万全を期した(つもり)状態で浜松に向かいました。

最終的に良かった2種類のマフラーを試験に持ち込んだのですが、音質的にもフィーリング的にも個人的に気に入ったタイプで受験し、万が一不合格だった場合はもう一つの方で再試験という事を想定していました。

試験前チェックの際によくある事として、音質チェックをやり過ぎてだんだんよく分らなくなったりしてくる事があります。
微調整を行う時には特にそうなります。

DSCN3276.jpg

今回はこの4種類の中から最終的に2本に絞ったのですが、もし試験に落ちてもう一本の方で受験となった場合、ほぼ100%合格するのは分っていたのですが、音質的には少し気に入らないのでそれは避けたい気持ちが強くありました。

音を抑えているので汚い音が混ざっているとか全く無くて、むしろ綺麗に整い過ぎてしまっていたからです。
音量的には89~90dBと、まぁ狙い通りには仕上がっていたのですが、非常にクリアで綺麗な音質という感じで、私の思うVツインサウンドでは全く無かったんですよね。。。

やはり、Vツインであるならばアクセルを開けた時の荒々しさというか、それは音量ではなくVツイン独特の鼓動みたいなものが欲しいと思っているのですが、その部分までもが非常にクリアな音というか(笑)、「こんなに優等生にしなくても」といった音質でした。

試験結果は一発合格だったので、心配は杞憂に終わりましたが、そんな事もあって合格した時は本当に晴れやかな気持ちになりましたね。

試験結果をいち早く車両オーナーのK様にLINEしましたが、K様からも「自分のことの様でほっとしました。」と返事を頂き、感謝とともに嬉しかったですね。(何か皆様に支えながら仕事をしていて本当にありがたいかぎりです。)

その試験結果ですが下記の通りとなりました。

【加速走行騒音】   82dB
【近接騒音】      90dB

加速走行騒音は会社でのテストで想定していた通り、81dBをちょっと超える程度で、試験結果はコンマ以上を切り上げするので公式結果としては82dBとなるのですが、Vツインの鼓動を感じれるサウンドで心地良い音質に仕上がったと思います。


そして最終仕様のパワーグラフです。
最終仕様
ピークパワーこそそれほど大きく変わりませんが、中速域は力強いパワーカーブを描いており満足のいく仕上がりになったのではないかと思っています。

sb650jm (3)
因みにマフラー重量ですが、下記の通りとなっています。

【マフラー重量】     2.27kg  ※ サイレンサーバンド及びスプリング等含む。 ※ ノーマル重量は4.21kg

ノーマルマフラーに比べてほぼ半分近くの重量となりますので取り回しの際にもその軽さを感じて頂けるのではないでしょうか。

SB3650JM (14)
またこのスリップオンですが排気温度が高いVツイン650ccという事もあり、センターパイプには「O.M.N.Jコーティング」を施しております。

リリースに関してですが、現在のところ6月上旬を予定しております。

・ SS-OVALソリッドタイプ  品番 SK3650JM  価格 66,000円(税抜)

sk3650jm (1)
sk3650jm (3)
sk3650jm (2)

・ SS-OVAL焼き色タイプ  品番 SB3650JM  価格 69,000円(税抜)

sb650jm (1)
sb650jm (5)
sb650jm (2)

上記2種類のリリースを予定しており、お問い合わせを頂いているC-BLACK仕様は現在継続テスト中です。

IMG_4141.jpg
IMG_4100.jpg
セラーコート仕様ですが、こちらはもう少しテストをした上で進めていきたいと思っています。

という事で、SV650X用SS-OVALスリップオンの開発日記は任務完了という事で終了したいと思います。

最後に車両をご提供頂いたK様、カスタムポイントのセンスが最高のSV650Xをお借り出来た事に感謝を申し上げます。
本当にありがとうございました。


それでは本日はこの辺りで。
プロフィール

ダブルアールズ

Author:ダブルアールズ
WR'S(ダブルアールズ)マフラーの開発状況などを掲載。

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